カンボジア北西部・ポイペトを舞台とした国際的な詐欺事件をめぐり、愛知県警など6県警の合同捜査本部は16日、タイ当局が拘束していた日本人の男について、移送中の航空機内で組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の疑いで逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。捜査本部は、日本人29人が昨年現地で拘束されたポイペトの詐欺拠点のトップだったとみている。 捜査関係者によると、男は佐々木裕介容疑者(38)。逮捕容疑は、仲間と共謀し、昨年2月、福岡県警の警察官などをかたって、茨城県つくば市の女性(当時36)にうその電話をかけ、現金計3140万円を振り込ませて詐取したというもの。 ポイペトでは中国人や台湾人の幹部らの管理の下、日本人のかけ子が警察官をかたるうその電話を日本にかけていた。捜査本部は、関係者の供述などから、佐々木容疑者が幹部のさらに上位にいる「オーナー」という立場だったとみている。日本の警察の情報に基づき、タイ警察が今月、バンコクで身柄を拘束していた。 ポイペトでは、昨年5月、特殊詐欺に関与したとして、日本人29人が拘束され、その後、捜査本部に逮捕された。詐欺グループは警察官をかたってビデオ電話をかける際に、生成AI(人工知能)を使って顔を別人と入れ替えていたとみられ、そのための「AIルーム」を設けていたことが判明している。(山下寛久)