【NBA】ブルズの新ヘッドコーチが決定、トレイルブレイザーズをプレーオフへと導いたティアゴ・スプリッターを招聘

ブルズのヘッドコーチにティアゴ・スプリッターが就任した。ブルズはビリー・ドノバンの退任とともに、フロントも一新した。新たにチーム編成を担うブライソン・グラハムの最初の仕事がヘッドコーチの選定だった。 グラハムはニューオリンズ・ホーネッツ(現在のペリカンズ)のインターンからの叩き上げ。モンティ・ウィリアムズの下で育成コーチやビデオコーディネーター、スカウト、アシスタントGMを務め、ペリカンズのGMとなった。その彼が先月にブルズの運営統括責任者となった。就任会見では「今は育成段階にあり、時間がかかる」と明言し、近年のブルズが行ってきた『中途半端なテコ入れ』ではなく、基盤作りに力を入れる方針を示した。 その方針に合ったヘッドコーチとして、スプリッターが選ばれるのは自然な流れだった。1年前にチャウンシー・ビラップスのアシスタントコーチとしてトレイルブレイザーズの一員となったスプリッターは、開幕直後にビラップスが違法ギャンブル容疑で逮捕される異例の事態を受けて暫定ヘッドコーチとなり、ブレイザーズをプレーオフへと導いた。ブレイザーズはポテンシャルのある若手を揃えながら結果を出せなかったが、スプリッターの指導により短期間で『戦う集団』へと生まれ変わり、オールスターへと成長したデニ・アブディヤを筆頭に、多くの選手が自分の殻を打ち破ってステップアップを果たした。 シーズン終了時点でブレイザーズのほぼすべての選手がスプリッターの手腕を称えた。それは文字通りの意味に加えて、ブレイザーズが彼を正式なヘッドコーチにするつもりがないと噂されていたからだ。新たなオーナーになったトム・ダンドンは、自分のカラーに合った指揮官を選ぼうとしており、スプリッターと面談を行ったが正式なオファーは出さなかったという。 ブルズではグラハムが「ヘッドコーチは時間を掛けてじっくり選定したい」と言いつつも、1巡目指名権を2つ(4位と15位)、2巡目指名権を2つ(38位と56位)使えるドラフトの前にヘッドコーチ人事を片付け、スプリッターの意見を採り入れながらドラフトに集中できる準備を整えた。これはダンドンが、同じくオーナーを務めるNHLのカロライナ・ハリケーンズがスタンレーカップを戦う間、ブレイザーズのヘッドコーチ人事を棚上げにしているのとは対照的な姿勢だ。スプリッターはブレイザーズの候補者であり続けたが、ブルズからのオファーを受け入れた。 ブルズの最終候補者にはティンバーウルブズでアシスタントコーチを務めるマイカ・ノリ、ホークスのアシスタントコーチのライアン・シュミット、そしてドノバンの下でアシスタントコーチを務め、ウィザーズでヘッドコーチ経験も持つウェス・アンセルドJr.もいたというが、スプリッターが第一候補でブレイザーズとの交渉の進捗に注視していたという。グラハムはサンアントニオの出身。かつて控えセンターとしてスパーズの優勝に貢献したスプリッターのことは熟知していたに違いない。 ブレイザーズでの彼はシンプルな戦術を用い、最小限のシステムの中で選手個々が状況判断を下し、自分の強みを出していくバスケで選手たちの成長を引き出した。「多くの場合、良いものはシンプルだ」を身上とするスプリッターは、ブルズでもこの方針を続けるだろう。スプリッターの招聘と4つの指名権を持つドラフトがブルズ再建の第一歩となる。

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