イスラエル軍、意図して子どもたちを標的に ジェノサイド止まらず 国連報告書

(CNN) 国連の独立調査委員会は、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ地区で意図的に子どもを標的とし、パレスチナ人に対するジェノサイド(集団殺害)の罪を犯し続けていると指摘した。 同委員会は昨年、イスラエルがガザで行っている行為はジェノサイドにあたると認定していた。23日に発表した報告書では、イスラエル軍の作戦がパレスチナの子どもたちに「未曽有の死亡、負傷、心的外傷」を生じさせ続けていると結論付けた。 イスラエル軍がガザの停戦発効後も意図的に子どもたちを標的にしていることは、イスラエルにパレスチナ人の殲滅(せんめつ)を狙うジェノサイドの意図があることの表れだと同委員会は指摘している。 「2025年10月の停戦後もなお、子どもたちが殺害され、重傷を負わされ続けている。イスラエルは停戦も、国際法に基づきパレスチナの子どもたちを守る義務も無視し続けている」。同委員会のスリニバサン・ムラリダール委員長はそう述べた。 同委員会の結論に対してイスラエル外務省は「以前のものと同様、言語道断のプロパガンダ」と位置付けて強く反発した。 イスラエルのダニー・ダノン国連大使も「国連文書を装った政治的な血の中傷」と形容し、「委員会は、ハマスの犯罪や10月7日の虐殺、人質、子どもや民間人を人間の盾として冷酷に利用する行為に対応せず、またしてもイスラエルを被告扱いすることを選んだ」と批判した。 報告書によると、ガザでは停戦後もイスラエル軍による攻撃や人道支援妨害、医療支援妨害が横行し、「パレスチナの子どもたちの生存、健康、発達に対して何層にも及ぶ危害」が加えられている。 イスラエルが病院や診療所、産院などを組織的に攻撃する中で、短期的にも長期的にも、子どもたちの心と体の健康や幸福に対して壊滅的な影響が及んでいる。 昨年10月の停戦合意で2年間に及んだガザの戦争は終結したものの、「敵対行為は止まらず、縮小したにすぎない」と報告書は指摘する。 停戦から8カ月たった今もイスラエルはほぼ連日の空爆を続けており、パレスチナ保健省によると、この間に子ども250人以上を含む1000人あまりのパレスチナ人が殺害された。 イスラエルは、ハマスが停戦合意違反を繰り返し、武装解除を拒んでいると主張する。イスラエルが復興資材や重機の搬入を妨害していることから、ガザの住民の大多数は依然としてテント暮らしを強いられている。 ドナルド・トランプ米大統領の仲介で合意した和平案に基づき、ガザには国際治安部隊が展開してイスラエル軍は段階的に撤収する予定だった。しかし現実にはイスラエルが支配地域を拡大し続け、ベンヤミン・ネタニヤフ首相によると、現在イスラエル軍はガザの70%を占領している。 イスラエルは当初、停戦後の軍占領地域との境界を示す暫定的な「イエローライン」を地図上に設定した。 しかし、イエローラインは徐々に西へと移動してイスラエル軍の占領地が拡大し、パレスチナ人は狭くなり続ける一画へと追い込まれている。住民がこの線を越えることは禁止され、パレスチナ当局によると、線に近付きすぎたために射殺された住民は数百人に上る。現在は、かつてのイエローラインの外側に、新たな占領地を示す「オレンジライン」が設けられている。 境界線が絶えず移動しているため、パレスチナ人、特に子どもたちにとって、境界線がどこから始まってどこで終わるのかを見極めるのは難しい。 今回の報告書は、イスラエルが占領を続けるヨルダン川西岸と東エルサレムにも焦点を当て、イスラエルによる戦争犯罪を非難するとともに、パレスチナの子どもたちに対するイスラエル人入植者の暴力が急増している現状を浮き彫りにした。 その上で、イスラエル軍がヨルダン川西岸で「統制、抑止、集団的威嚇の手段として、子どもたちに対する不当かつ過剰で懲罰的な武力行使を繰り返している」と結論付けている。 イスラエルの人権団体ベツェレムによると、2023年10月以来、ヨルダン川西岸ではパレスチナ人の子ども236人が殺害された。国連報告書によれば、ガザとヨルダン川西岸の両方で、子どもに対する「恣意(しい)的な集団逮捕や拘束」が行われ、ガザではそうした子どもの多くが安否も所在も確認できない状況にある。 パレスチナ外務省は報告書の内容を歓迎し、「占領国が犯した違法行為を国際社会が阻止できず、パレスチナの子どもたちに対してこうした犯罪を犯した者の罪を問うこともできない現実を再確認した」と述べている。 同委員会はイスラエル政府に対して「ガザでの軍事作戦を即刻停止」し、「国際法で定められた子どもに対する特別な責任」を果たすよう求めた。 加盟国に対しては、国際刑事裁判所(ICC)に指名手配されたイスラエル当局者の逮捕、イスラエルに対する兵器移転の停止、イスラエル当局者や入植者に対する制裁を促している。

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