「恋愛感情を利用し自白誘導」の無罪事件、高裁も起訴の違法性認めず

滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年、患者の呼吸器を外したとする殺人罪で服役し、再審で無罪となった西山美香さん(46)が、検察の起訴は違法だったなどとして国に賠償を求めた訴訟の控訴審判決が25日、大阪高裁(長谷部幸弥裁判長)であった。高裁は、起訴に違法性はなかったとした一審・大津地裁判決を支持し、西山さんの控訴を棄却した。 西山さんは、滋賀県警の取り調べで自身が呼吸器を外したと話した「自白」に基づき、2004年に逮捕され、懲役12年が確定して服役した。 しかし、患者は自然死だった可能性もあるとして再審の開始が決定。大津地裁は20年、西山さんには軽度の知的障害があり、「男性刑事が西山さんの恋愛感情などを利用して自白を誘導した」と認定し、無罪を言い渡した。 西山さんはその後、県警や大津地検の捜査は違法なものだったとして、県と国に損害賠償を求めて提訴した。 ■一審判決「検察の起訴に違法性はない」 一審・大津地裁は県警の捜査の違法性を認定して県に約3100万円の支払いを命じたが、地検については「警察官の違法な取り調べを覚知していなかった」などとして、捜査・起訴に違法性はなかったと判断した。 県は控訴せず、県への賠償命令は確定した。一方、西山さん側は地検側の違法性を認めなかった点を不服として控訴し、国を被告とする訴訟が続いていた。 西山さん側は控訴審で、供述調書や西山さん本人の様子から、検察官は西山さんが誘導を受けやすい「供述弱者」だと気づいていたはずだと主張。自白について慎重に判断するための補充捜査を指揮すべきだったのに、怠ったと訴えていた。(遠藤美波)

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