名古屋市南区の信号交差点で、男女2人がスイミングクラブの送迎バスにはねられて死亡した事故は29日で1カ月を迎えた。自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)と道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕された酒井照也容疑者(85)について、刑事責任能力の有無などを調べるため、名古屋地検による鑑定留置が続いている。 捜査関係者によると、車内のドライブレコーダーで事故の数日前、容疑者が業務の中で普段行う行動をしていないなどの様子が確認された。当日の走行についても、複数の点で客観的な証拠と食い違う説明をしている。容疑者の体調に何らかの異変が生じていた可能性があり、地検は、健康状態も含め当時の心身の状態を調べるとみられる。 事故は5月29日午後5時35分ごろ、南区寺崎町の信号交差点で発生。容疑者が運転するスイミングクラブの送迎用のマイクロバスが、横断歩道を渡っていた30代の男女2人をはねた。 捜査関係者によると、バスは交差点の約150メートル手前にある踏切を遮断機を押しながら渡り、その直後、一時、路肩に停止。踏切から交差点までにかかった15分の大半をそこで費やしていた。容疑者は車外に出て、車体や周囲を確認している様子だったという。 バスは低速で交差点に進入して2人をはね、その後も約350メートル走行を続けた。男性は約120メートル引きずられた可能性があるという。 鑑定留置は6月11日~10月13日の予定。(鎌形祐花)