ウクライナの裁判所は26日、ロシア連邦保安庁(FSB)のスパイとして活動していた疑いで逮捕され、反逆罪で起訴されていたウクライナ保安庁(SBU)の高官に、終身刑を言い渡した。 ルスラン・クラフチェンコ検事総長によると、ドミトロ・コジュラ被告は戒厳令に基づく反逆罪で有罪判決を受けた。被告の階級は大佐で、SBUテロ対策センターの首席補佐官を務めていた。 首都キーウのシェフチェンキフスキー地方裁判所はこのほか、武器や弾薬、爆発物の違法な取り扱いの罪でも、同被告を有罪とした。 SBUが行った「ネズミ(スパイの意味)」というコードネームの作戦では、被告がウクライナの首都キーウにある隠れ家で、ウクライナ軍や指導部の機密情報を求めるロシア側の指示役とやりとりしていたことが明らかになった。 クラフチェンコ検事総長によると、被告は指示役に、金銭報酬と引き換えに「国家機密を構成する」情報を渡すと約束していた。そのため、最も厳しい処罰を受けるに値すると、検事総長は述べた。 ロシアが2022年2月にウクライナへの全面侵攻を開始して以降、ウクライナは国内にいるロシアのスパイを摘発するため、数々の作戦を公表してきた。 2025年2月にコジュラ被告が逮捕された後、SBUは、捜査を主導したヴァシル・マリュク長官に拘束され、手錠をかけられた被告の写真を公開した。 SBUは判決後の声明で、被告は2018年にオーストリア・ウィーンでFSBに工作員として採用されたが、実際に指示役とのやりとりが始まったのは数年後だったと説明した。 被告は、ロシア軍の配備と移動についてウクライナが知っている情報に加え、ウクライナの武器やインフラ、政治や軍事の指導部に関する情報を収集し共有するよう求められていたという。 ウクライナ検事総長室の声明によると、被告のスパイ活動には、SBU司令部に対する諜報活動のほか、負傷した兵士や民間人の数など、ロシアの攻撃の結果を「体系的に」ロシア側へ共有することが含まれていた。 また、指示役と「絶えず連絡を取り合い」、「秘密」と記された文書を共有したりしていたという。 「SBUのキャリア組だった(コジュロ)大佐は、国家機密情報にアクセスでき、テロとの戦いを調整する責任があった」と、声明は付け加えている。 「ウクライナの肩章を着けながらFSBのために働き始める人間は、誰でもウクライナの敵となる」と、クラフチェンコ検事総長は述べた。「そのような者にふさわしいのは、最も厳しい処罰のみだ」。 SBUは、「工作員のあらゆる行動を24時間体制で監視」した結果、被告が個別の携帯電話とWi-Fiルーターを使い、隠れ家からロシアの指示役と通信していたことが判明し、逮捕に踏み切ったと説明した。 また、ロシア側の指示役は、工作員ネットワークの調整役を担っているユーリ・シャタロフという人物だと明らかにした。 SBUはまた、この捜査の過程で、「ロシア軍に大量の偽情報を流す」ために被告を利用するとともに、被告が重要な情報を入手するのを防いでいたとしている。 (英語記事 Senior Ukrainian intelligence official jailed for life for spying for Russia)