和歌山市の自宅で、当時2歳の長女に暴行を加え、治療を受けさせず死亡させた罪に問われている両親の裁判員裁判で、和歌山地裁は両親に拘禁刑8年の判決を言い渡しました。 裁判長 「主文、被告人両名をそれぞれ拘禁刑8年に処する」 きょう(15日)、和歌山地裁で実刑判決を言い渡されたのは、和歌山県紀の川市の無職・平菜々美被告(26)と夫の晴流被告(26)です。 2人はおととし(2024年)秋ごろから去年(2025年)7月にかけて、当時住んでいた和歌山市の自宅で、2歳だった長女の流菜ちゃんに暴力を振るうなどの虐待を加え、治療を受けさせず死亡させた保護責任者遺棄致死の罪に問われています。 平菜々美被告 「私に顔が似ていて、かわいいと思えなかった」 これまでの裁判で2人は起訴内容を認め、流菜ちゃんにしていた虐待の内容を語っていました。 きょう(15日)の判決で和歌山地裁は「児童が短い人生で感じた絶望感は計り知れない。保護よりも虐待の隠蔽を優先していて責任の程度は大きい」として、拘禁刑9年の求刑に対し、2人にそれぞれ拘禁刑8年を言い渡しました。 「(自分は)頭がおかしかった」、逮捕後に書いた日記にこう記していた菜々美被告。流菜ちゃんは死亡時、体重が平均より5.7キロ軽い6.08キロしかなく、自治体が実施する乳幼児健診も生後4か月以降、受けていなかったということです。 今回の事件を受け、和歌山市は今年1月、乳幼児健診を受けていない「健診未受診者」に対する「対応マニュアル」を新たに策定。 健診を受けていない乳幼児の状況把握を2か月以内から1か月以内に短縮し、その際に身長や体重を計測することなどが盛り込まれ、自治体が早期に虐待に気づけるよう、体制を見直しました。 和歌山市 尾花正啓 市長 「できるだけ多くの人の目で虐待を防げないかということで、地域全体で取り組んでいきたいと思っています」 今回、和歌山市がマニュアル策定の参考の1つとしたのが大阪府のガイドラインです。 大阪府は、乳幼児健診の未受診は虐待に気づくサインとし、12年前に対応ガイドラインを作成。受診していない家庭への訪問などを強化したことで、受診率が上昇したということです。 小坂産病院 末永英世 先生 「子供を育てるのは、お母さんや家族にとって、いろんなストレスがかかるもの。きれいごとだけじゃ済まされない部分もあるので、そこをキャッチするのも健診の一つです。児童相談所につなげたりとか、そういうことも健診では見ています。」 小さな命を守るために何ができるのか。新たな取り組みが始まっています。