バングラデシュ前首相が逃亡後初めて公開の場に 「支持者への暴力」批判「12月に帰国」

インドで逃亡生活を送っているバングラデシュのハシナ前首相(78)が、逃亡から2年となった5日、ニューデリーの外国特派員協会の行事でオンライン音声で会見した。ハシナ氏は今年12月の帰国を目指す意向を改めて表明するとともに、対立勢力によるハシナ氏支持者などへの暴力を批判した。ハシナ氏は逃亡後、メディアの個別取材には応じているが、公開の場で意見を述べたのは初めて。 ■2年間で65万人逮捕 会見でハシナ氏は「12月に戻りたい」と述べ、1971年の第3次インド・パキスタン戦争でバングラデシュの独立が確定してから55年となる今年12月の帰国を目指すことを強調した。 ハシナ氏には母国で死刑判決が出されているものの「国民は大きな苦しみを味わっているのに、私は何もできていない。だから帰国を決意した」と語った。 また、ハシナ氏はデモによって自らを辞任に追い込んだ学生らについて「彼らの運動を組織的なグループが暴力と政権交代の隠れみのにした。選挙以外の手段で権力への道を作るために利用された」と述べ、名指しはせずにラーマン現政権の与党バングラデシュ民族主義党(BNP)勢力の陰謀が働いたとの見解をにじませた。 デモは途中から性質が変わり、「殺害、放火、襲撃、略奪が始まった」とし、当時の与党アワミ連盟(AL)指導者や記者、警官などが殺害され、自身の逃亡後の2年間でも「65万人が逮捕された」と主張した。 ■もう一つのパキスタンに ハシナ氏は親インド政策を推進したが、政変後のユヌス暫定政権と今年2月に発足したラーマン政権は、インドがハシナ氏を保護していることを批判し、親中国・パキスタン姿勢を鮮明にしている。 ハシナ氏の息子、サジーブ・ワゼド氏も同じ行事でオンライン演説し、「インドが最も懸念すべきことは、バングラデシュがインドの東部国境でもう一つのパキスタンになってしまったことだ。パキスタンの情報機関、3軍統合情報部(ISI)が自由に活動している。大量のテロリストが刑務所から釈放された」と主張し、パキスタンと対立するインドに警告した。 バングラデシュでは2024年、公務員採用の優遇枠に反発する学生らによるデモが反政府運動に発展。ハシナ氏は同年8月5日に首相を辞任し、インドに逃亡した。ハシナ政権の弾圧で約1400人が死亡したとされ、ハシナ氏には「人道に対する罪」で死刑判決が言い渡されている。

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