昨年のワールドシリーズ第4戦、ヤンキースの本拠地ヤンキー・スタジアムでドジャースの右翼手ムーキー・ベッツに対して妨害行為を行ったファン2名は、MLBの全球場・全施設への無期限入場禁止処分を受けることになった。危険な妨害行為をしたオースティン・カポビアンコ氏とジョン・P・ハンセン氏は即座に退場させられ、翌日の第5戦のチケットも無効に。そして今週、MLB機構の職員がこの2名に対し、全球場・全施設への「永久出禁」を通達する文書を送付した。 MLB機構が送付した文書の内容は以下の通り。 「2024年10月29日、ヤンキー・スタジアムで行われたワールドシリーズ第4戦において、あなた方は故意に、かつ力強く選手の身体をつかむことでプレーを妨害しました。あなた方の行為は、選手の健康と安全に深刻な危険をもたらし、ファンの行動として許容される範囲をはるかに超えていました。あなた方の行為にもとづき、MLB機構はあなた方に対して、MLBの全球場・オフィス・その他施設への無期限の入場禁止処分を下します。また、MLBが主催するイベント、もしくはMLBが関与しているイベントへの参加も無期限で禁止します。もしMLBの施設やイベントで発見された場合は、敷地から退去させられたうえで、不法侵入で逮捕される可能性がありますのでご注意ください」 カポビアンコ氏とハンセン氏は、その日来場しなかったシーズンチケット保持者の座席に座っていたことが明らかになっている。そのシーズンチケット保持者に対する処分はなく、今後もチケットを購入することが許可されるようだ。 この試合はヤンキースが11対4で勝利。昨年のワールドシリーズにおいて、ヤンキースが唯一勝利した試合だった。ファン2名による妨害行為は初回のヤンキースの攻撃中に発生。翌日、ヤンキースのアーロン・ブーン監督は「彼らはここにいるべきではない。昨夜の出来事は許されることではない。起きてはならないことだ」と強い口調で批判していた。 ベッツは試合終了後、「関係ない。僕たちは試合に負けたんだ」とファン2名への直接的な批判を避けていたが、昨年12月に番組出演した際には「彼らがボールを捕ろうとするのはいい。でも、彼らは僕のグローブからボールを奪おうとしたんだ。ボールを投げつけようかと思ったけど、『何もしてはいけない、右翼のポジションに戻るべきだ』と気付いたんだ」と語っていた。