[KWレポート] 韓国・検察庁廃止D-50 (4) …後続法整備遅れで刑事司法に「空白」懸念

【08月16日 KOREA WAVE】韓国で検察官の捜査権を全面廃止する改正刑事訴訟法の施行まで50日を切った。しかし、検察庁から捜査権を引き継ぐ機関の権限や事件処理の手続きには法整備が追いついておらず、刑事司法の空白を懸念する声が出ている。 10月2日に検察庁が廃止され、重大犯罪捜査庁と公訴庁が発足する。改正法では、検察官は捜査記録に不十分な点を見つけても警察に補完捜査や再捜査を求めることしかできず、自ら捜査することはできない。 問題の一つが、社会的弱者を対象とする7種類の犯罪の補完捜査だ。韓国与党「共に民主党」は児童虐待、家庭内暴力、性犯罪、児童性犯罪、ストーカー、障害者虐待、高齢者虐待について、重大犯罪捜査庁が補完捜査を担当する方針を示した。 しかし現行法で同庁の捜査対象は、汚職、経済、防衛産業、麻薬、内乱・外患、サイバー犯罪の6大重大犯罪と法歪曲罪に限られる。このため法的根拠がないとの指摘を受け、民主党は11日、7種類の犯罪に対する補完捜査・再捜査権を付与する改正案を提出した。 検察と警察による合同捜査本部にも課題が残る。改正法施行後、捜査権を持たない検察官が被疑者の取り調べや証拠収集に関与すれば、違法収集証拠を巡る問題が生じる可能性がある。チョン・ソンホ(鄭成湖)法相も、検察官が捜査に参加できる範囲を明確に規定しなければ公判維持に問題が生じる可能性があると指摘している。 警察の違法・不当な捜査に対して検察官が是正を求める制度についても、事件を移す機関や記録、証拠物の引き継ぎ手続きが定まっていない。 勾留中の被疑者の扱いも未解決だ。警察から送致された事件で補完捜査が必要になった場合、身柄も警察に戻すのか、公訴庁が身柄を確保したまま記録だけ返すのかを定める規定がない。補完捜査には最長2カ月かかる一方、公訴庁段階の勾留期間は最大20日で、捜査が長引けば釈放が必要になる可能性も指摘されている。 また、制度移行後も一部事件について検察官に90日間の捜査を認める経過措置が設けられたが、その間に警察の申請なしで検察官が押収捜索や逮捕・勾留令状を請求できるかについても解釈が分かれている。 さらに高位公職者犯罪捜査処の捜査権についても、従来の権限を維持する規定が本則ではなく付則に置かれたことから、法的安定性を巡る議論が続いている。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News

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