学校法人の土地取引を巡る横領事件で大阪地検特捜部に逮捕・起訴され、裁判で無罪が確定した不動産会社「プレサンスコーポレーション」(当時)元社長の山岸忍氏(63)が国に約7億7000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審の第1回口頭弁論が17日、大阪高裁(市川多美子裁判長)であり、即日結審した。昨年3月の大阪地裁判決は国の賠償責任を否定し、山岸氏側が控訴していた。賠償責任の有無を判断する中間判決が来年1月27日に言い渡される。 この日は山岸氏側が意見陳述し、地裁判決について「一つ一つの証拠や検察官の取り調べの問題を総合的に考慮していない」と述べた。 事件を巡っては、地裁判決後、山岸氏の元部下への取り調べについて、担当検事の田渕大輔被告(54)を特別公務員暴行陵虐罪に問う刑事裁判が始まった。山岸氏側は、この中で立件が「既定路線」だったことを示す特捜部内のメールが明らかになったと指摘。立件は検察の「組織的な不法行為だ」と訴えた。 国側は控訴棄却を求めた。 地裁判決は、田渕被告の取り調べを「著しく不適切」と批判し、「検察庁内部でこの種の取り調べに対する問題意識が希薄なのではないかと疑われる」と苦言を呈した。一方で、当時特捜部が収集した客観証拠を踏まえると、山岸氏の関与を疑った主任検事の見立てには「一定の合理性がある」と判断した。