「大川原化工機」をめぐるえん罪事件の裁判で、捜査に関わった警察官3人の証人尋問が行われ、警察官の一人は「捜査に問題があった」と明かしました。 化学機械メーカー「大川原化工機」の大川原正明社長ら3人は、噴霧乾燥機を中国などに不正輸出したとして逮捕・起訴されましたが、その後、無実が明らかになりました。 社長らが国と東京都に賠償を求めた裁判の控訴審できょう、捜査に関わった警察官の証人尋問が行われました。 勾留中に亡くなった元顧問の相嶋静夫さんを取り調べた男性警察官は、相嶋さんの長男から「父が亡くなったことと起訴が取り消されたことへの謝罪はあるか」と問われると、「お悔み申し上げたい。ただ、捜査自体は適正だったと考えている」と述べました。 一方、捜査を担当した別の男性警察官は、原告側の弁護士から捜査の進め方に問題があったかと問われると、「問題はありました」と答えました。 さらに「立件する必要があったのか」との問いには、「組織としてはない。日本の安全を考える上でも全くない。決定権を持っている人の欲だ」と答えました。