警察とユーチューバーを避け大移動…歌舞伎町ラブホ街に集う「立ちんぼ界隈」と買春客の新たな実態

真夏の夜の新宿・歌舞伎町。歩くだけでも額に汗が滲(にじ)むような気温の中、ラブホテル街で客待ちをしている女性たちがいた。生活に困窮した女性が大久保公園周辺で身体を売る「立ちんぼ」が、社会問題となったのは約4年前。彼女たちの窮状に変わりはないが、立ちんぼを取り巻く状況は大きく変化しているのだ――。 現在、大久保公園に立ちんぼの姿はほとんどない。警察の取り締まりが強化されたことで、公園周辺に集まることがリスクになったようだ。同様に買春目的の男性も減った。ユーチューバーに顔を撮影されたり、立ちんぼを連れていると警察に職務質問されたりするからだという。 大久保公園周辺にいた男女はどこへ行ったのだろう。記者が探索すると、彼らの姿はラブホテル街にあった。立ちんぼ女性の一人が移動の理由を語る。 「SNSで顔を晒(さら)されるなどのトラブルを避けるためです。ラブホ街には面白半分の見物客は少ないですから。昨年7月に大久保公園で客待ちをしていた女性4人が売春防止法違反容疑で逮捕され、全員が顔と実名を報じられたことも大きな要因です」 トラブルを恐れて新規の立ちんぼや冷やかし、一見(いちげん)の客は減った。ラブホ街へ移動したのは「常連」の立ちんぼと買春男性だ。常連同士の気安さゆえか、酒を片手に路上で談笑する姿も。「路上ガールズバー」になっているのだ。 常連の男性は、数少ない新規の立ちんぼを求めて酒を片手にホテル街を歩き回る。新顔がいなければ、顔なじみの立ちんぼと他愛のない会話を交わしている。 「客から求められる機会が少なくなり、カネに困った常連の女性から『買って』と頼まれることはあります」(常連男性) 路上で飲んでいる人が多い理由の一つは、酒が年齢確認の手段でもあるからだ。現行法で買春行為は処罰されないが、相手が未成年だったら即アウト。そのために編み出された方法が「酒を買いに行かせる」ことだ。 「(男性が)女の子に1000円渡して『これでお酒買ってきて』ってコンビニに行かせる。買うときには店員に身分証明書を見せるので、年確ができる。身分証明書を見せなくて済む安全な方法です」(別の常連男性) その結果、買春客の手元には酒が残る。ホテルで買春行為が行なわれた後、酒を飲みながら歌舞伎町周辺を歩くのだ。 夜の繁華街の路上に立つ女性たちの苦しみを解消しなければ、「立ちんぼ」問題も解決しない。形態や場所を変え、存続しているのだ。 『FRIDAY』2026年9月25日号より 取材・文:白紙 緑(フリーライター)

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