ロシア、日本人記者をスパイ容疑で逮捕…対ロ制裁・領土問題で対立する中、日ロ関係が悪化(2)

今井記者はロシア外務省に正式に登録された特派員で、ロシア社会やロシアと北朝鮮の関係などを取材してきた。ロシアの独立系メディア「メドゥーザ」によると、今井記者は2014年からロシアを訪れており、サンクトペテルブルク国立大学で学んだ経験もある。2023年には、サハリンから日本に帰還した戦争経験者への取材を基に、エッセーを執筆した。政治・外交問題だけでなく、サハリンの歴史や住民の暮らしも取材してきた。最近では、ロシア下院選挙やハバロフスクでのソ連の対日戦勝記念碑の建立などを報じた。今月5日には、ユジノサハリンスクで北朝鮮の人々と接した様子を伝える現地ルポを執筆した。北海道新聞は現在、日本の報道機関の中で唯一、サハリンに日本人記者を常駐させている。共同通信は、ロシアが問題視した情報収集が、通常の取材活動の範囲内だった可能性を指摘した。今回の事件は、領土問題や制裁をめぐる両国の対立が深まる中で発生した。今年8月、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がクリル諸島(千島列島)南端のイトゥルップ島(択捉島)を訪問すると、日本は強く反発した。日本は同島を含む4島を「北方領土」と呼び、領有権を主張している。日本は今月2日、ロシアが制裁を回避して原油を輸出するために利用している「影の船団」の船舶35隻に対する追加制裁を決定し、ロシアは報復を予告した。ロシア外務省は、今回の事件も両国関係をさらに悪化させる要因になると主張した。ロシアは2023年にも、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のエバン・ゲルシコビッチ記者をスパイ容疑で逮捕した。ゲルシコビッチ記者は翌年、懲役16年の判決を受けたが、同じ年に大規模な身柄交換によって釈放された。一方、ロシアのサハリン州政府は13日、中国黒竜江省の政府関係者や企業関係者で構成された代表団がイトゥルップ島を訪問したと発表した。サハリン州政府は、国際協力や投資誘致を目的とした訪問だと説明した。イトゥルップ島は、日本が自国の領土とみなす、いわゆる「北方領土」の一つだ。茂木外相は14日、第三国の政府関係者や企業関係者が同地域をロシア領であるかのように扱い、立ち入って活動することは容認できないと批判した。また、中国とロシアの両国に適切な対応を求めたことも明らかにした。

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