見た目は怖いけど、実はいい人。そんなふたりがそのギャップのせいで勘違いや予想のつかない展開に巻き込まれていく日常をシュールな笑いで描くのが『見るからに怪しい二人』(鬼澤馬勇/KADOKAWA)だ。いつもイカつい見た目のせいで、周囲からうっすら怯えられているふたり。しかしふたりに臆せず声をかける人が現れて……。声をかけてきたのは道に迷ったおばあさん。地図を片手に「この場所へ行く道を教えていただけない?」と、公園で砂遊びをしていたふたりに声をかける。ただイカつい見た目なだけでなく、昼間から砂遊びをしている男性ふたりに声をかけるなんてすばらしい強メンタル。私なら、周りに他に誰もいなかったとしても絶対に声をかけないだろう。普段避けられている自覚があるため、珍しく頼られたことに喜ぶモヒカンの男。しかし肝心の地図が読み解けず、手こずってしまう。アプリで調べようとすると慌てるおばあさん。「早くお金を払わないとマサユキが逮捕されちゃう」と焦っている様子だ。続けて「弁護士から連絡がきて、孫が事故を起こしたらしいの……」と説明するおばあさん。明らかに詐欺。そう感じたふたりは、弁護士と待ち合わせをしているという彼女についていくことに。待ち合わせ場所にいた偽弁護士は、スーツに眼鏡で明らかに仕事ができそうなスタイル。おそらくこの瞬間だけを見たら、誰もがおばあさんの後ろにいる長髪とモヒカンのふたりが何らかの犯人であると考えるに違いない。ふたりはおばあさんを偽弁護士から守るために悪戦苦闘するわけだが、実はこの後本物の孫と思わしき人物が登場。それからのやりとりがかなりリアルで笑えた。「おばあちゃんをもっと大切にしなきゃ」と思わされるエピソードである。文=原智香