【速報】「餃子の王将」社長射殺事件 殺人などの罪に問われた暴力団幹部の男に無罪判決 京都地裁 男は初公判で「私は決して犯人ではありません。決してがつきます」と無罪主張

2013年に「餃子の王将」の社長が射殺された事件で、殺人などの罪に問われていた暴力団幹部の男に対し、京都地裁は16日、無罪の判決を言い渡しました。起訴状によりますと、特定危険指定暴力団「工藤会」系幹部の田中幸雄被告(59)は2013年12月19日の早朝、京都市山科区の「王将フードサービス」の駐車場で、当時社長だった大東隆行さん(当時72)を銃で殺害したなどの罪に問われています。逮捕当時、田中被告は、2008年に福岡市内で大手ゼネコンの社員らが乗った車を銃撃したなどの罪で服役していました。去年11月、京都地裁で開かれた初公判で、起訴内容について問われた田中被告は「私は決して犯人ではありません。決してがつきます」と無罪を主張しました。一方の検察側は冒頭陳述で、「事件現場の近くでたばこの吸い殻2本が発見され、DNA型が被告と同一だった」としたうえで、「田中被告が事件直前に組員に旅行に行くと伝え音信不通になり、知人にも京都にいる旨を発言している」などと指摘しました。その後の裁判で検察は、京都府警の捜査員や田中被告の幼なじみなどを証人として呼び、さまざまな状況証拠から田中被告の犯行だと主張しました。たばこの吸い殻については、形状からほかの場所から持ち込んだとは考えにくいこと、また、事件前に大東さんが「矢でも鉄砲でも俺は怖くないぞ」と従業員に話していたことなどが、証言により明らかにされました。今年3月に開かれた10回目の裁判では、弁護側の唯一の証人として田中被告の妻が証言しました。事件当日のことについて問われると、妻は「車で子どもと一緒に送ってもらったかもしれない」と記憶をたどるようにして述べました。同じ日に田中被告の被告人質問が予定されていましたが、田中被告は「答えない」という意思を示したため、実施されませんでした。田中被告の口から事件について語られることがないまま迎えた、今年6月の論告・求刑公判。検察側は「被害者は強い責任感で職務をまい進し、愛する『餃子の王将』を成長させながら家族と充実した生活を送るはずだったにもかかわらず、理不尽にも命を奪われた。人命軽視が甚だしく、反省の姿勢が見られない」として、無期懲役を求刑しました。直接証拠が無い中、「犯人性」が争点となっていた裁判。16日に京都地裁で開かれた判決公判の法廷に現れた田中被告はマスクをかけ、スーツ姿で、傍聴席の方を気にする素振りを見せました。そして、午後1時半、言い渡された主文は「被告人は無罪」でした。田中被告は何度も大きくうなずいていました。犯行について西川篤志裁判長は、「極めて重大な犯罪で、凶器なども入手困難であり、移動手段には盗難バイクを使うなど用意周到な犯行である」との認識を示したうえで、「実行犯は工作をしていた可能性も考えられ、吸い殻は各犯行を実行した人物が用意したものとも考えられる。被告はヘビースモーカーで、火種が残留している吸い殻を入手することは容易であり、暴力団に所属していて、捜査をかく乱するためにあたかも実行したのように見せかけた可能性をたやすく否定できず、慎重に検討すべきである」と、たばこの吸い殻の証拠としての信用性に疑問を示しました。そして、「喫煙後の吸い殻を残すことで、被告人に捜査の目を向ける第三者の関与を排斥することはできない。実行犯だと合理的に説明はできないし、疑いなく推認できるようなものでない」と田中被告の犯人性を否定しました。判決後、田中被告は弁護団を通じて、「裁判官の判決の言葉に、溜飲が下がるとともに、この4年の垢(あか)が洗い流された気持ちになりました。それでも犯人と思われた時点で人生が変わるし、失ったものも戻ってきません。検察も人間ですから、間違うこともあります。過ちは過ちとして、勇気を持って振り出しに戻って、過ちを正され、真犯人を追っていただきたい」とのコメントを発表しました。

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