パリなどフランス各地に夜間外出禁止令 週末の暴動受け

フランスで17日から週末にかけて、物価高騰などに対する抗議から派生した暴動や略奪が各地で相次いだことを受け、政府は19日、パリ中心部の一部地域やその他の都市で夜間外出禁止令を発令した。セバスチャン・ルコルニュ首相は19日に危機対策の緊急閣議を開き、どの都市で実施されるかは明言せず、地方自治体の市長に「必要に応じて」外出禁止令を実施する権限を与えると述べた。パリ警察は、週末にデモ隊が集まったレピュブリック広場とレ・アル地区で、午後11時から翌朝の午前6時まで外出禁止令が発令されると発表した。市中心部の他の複数地区でも、無許可の集会が禁止された。南部ではマルセイユ、ボルドー、ニース、リヨンなどの各都市、北部ではリールなどの都市で、若者の移動や集会を制限する部分的な夜間外出禁止令が発表された。ルコルニュ首相は、国内に非常事態宣言を発令する可能性も否定せず、政府は暴動などによる被害を受けた地域の復興支援のために資金を確保すると述べた。復興資金は暴力行為の首謀者から回収するとの考えを示した。「資産を損壊した者に賠償金を払わせるための法律を作る」と首相は述べた。首相はさらに、暴動や略奪の結果、働けなくなった人を対象とした部分的な失業給付基金の設立も発表した。ローラン・ヌニェス内相は、捜査員200人が監視カメラ映像を分析し、首謀者の特定に取り組んでいると話した。デモ対応をめぐり野党から強く批判されているヌニェス内相は、一部の都市で警察が「統制を失った」ことを認めた。ヌニェス氏は18日、辞意を示したが、エマニュエル・マクロン大統領が辞任を認めなった。大統領府が19日に明らかにした。大統領府によると、ヌニェス内相の辞意に対して大統領は、「法執行を引き続き指揮する必要がある」ことから、留任を指示したという。教育環境の悪化についてフランスで9月から始まった生徒たちの抗議活動は、労働組合やその他の反政府団体の関係者が加わったことで、17日に著しく激化した。当局によると、2500人以上が逮捕された。AFP通信によると、デモ参加者1人が警察の群衆制圧用手榴弾で片手を吹き飛ばされた。警察官約1000人が負傷した。フランス商工会議所(CCI)のアラン・ディ・クレシェンツォ会頭によると、週末の騒乱のため2000以上の店舗やその事業所が直接的な影響を受けたという。ディ・クレシェンツォ氏はフランスの放送局RTLに対し、暴動による被害額は推定「数億ユーロ」だと述べた。CCIマルセイユ支部のジャン=リュック・ショーヴァン氏はBBCに対し、市内の多くの商店主が「深刻な苦境」に陥っており、存続の危機に直面していると話した。フランスの閣僚2人によると、略奪品がオンラインの販売プラットフォームに掲載されているという。ファッションに特化したフリーマーケット・サイト「Vinted」の広報担当は、盗品の販売や勧誘は「厳禁」だと述べた。広報担当によると、「今週末以降、当社のチームは略奪行為に関連する出品を特定して削除するための即時措置を講じており、不審な出品の監視を強化している」という。フランスでは17日、約55万人のデモ参加者が、燃料価格の高騰、生活費の上昇、学校を始めとする公共サービスの悪化などに抗議するため、街頭に繰り出した。18日には、パリとリヨンの一部地域で、小規模ながら略奪行為や警察との衝突が続いた。その他の町や都市でも、黒い服を着てマスクや目出し帽をかぶった暴徒集団が現れ、車や建物に放火する者もいた。AFP通信によると、パリでは数百人に向けて催涙ガスとスタン手榴弾が発射され、警察に向けて瓶や石が投げつけられた。中部リモージュでは17日、19世紀に建てられた華やかな装飾の市庁舎が、暴徒による火災に焼かれ、時計塔と屋根が崩落した。在フランスのアメリカ大使館は、デモや暴動の影響を受けている地域を避けるよう国民に勧告する警告を発した。警告文には、大人数集団の近くにいる場合は「注意を払う」ようにと書かれている。中国とドイツも同様の警告を発している。一部の政治家は、左派政党「不服従のフランス」が暴力事件に関与していると非難している。ルコルニュ首相は以前の記者会見で、一部のグループが「大統領選挙に向けて、我が国に混乱を引き起こそうとしている」と主張した。来年4月の大統領選挙に「不服従のフランス」党から出馬予定のジャン=リュック・メランション党首は、ルコルニュ首相に対し「自分の主張を証明するか」あるいは「謝罪し、黙って、混乱をあおるのをやめるべきだ」と反論した。(英語記事 Curfew imposed in parts of central Paris and other cities after rioting across France)

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