大阪市の自宅で妻に暴行を加えて死亡させ、遺体を遺棄した罪などに問われている男の裁判。遺体が見つからず、直接証拠がない中、大阪地裁は男に懲役12年6か月の判決を言い渡しました。 遺体が見つからないまま、被告人が黙秘し続けた裁判にきょう(20日)判決が下されました。 裁判長 「被告人を懲役12年6月に処する」 死体遺棄と傷害致死などの罪に問われていた黒木佳史被告。 おととし(2024年)5月。大阪市中央区の自宅で妻のいずみさん(当時52)に暴行を加え死亡させ、遺体を知人の男と車で岡山県付近に運び、遺棄したとして起訴されていました。 事の発端は2年前(24年)の5月。 住民 「夜、隣の家から男性の怒鳴り声、女性の『痛いのはやめて、殺されちゃう』という助けを求める声を聞いて警察に通報した」 その後、いずみさんが行方不明になったことがわかり、警察の捜査で黒木被告の共犯者とみられる知人の男が周囲にこう漏らしていたことが明らかに。 共犯者とみられる黒木被告の知人 「黒木被告と死体を袋にいれて岡山まで車で運び、ダムに捨てた」 知人の男はその後、死亡。自殺とみられています。 いずみさんの遺体は見つかっていなかったものの、逮捕の決め手の1つとなったのは防犯カメラでした。 報告 木村智子記者 「警察が調べると、自宅近くの防犯カメラには黒木容疑者と知人の男が遺体が入ったとみられる袋を車に積み込む様子が映っていたということです」 初公判で黒木被告は、名前を聞かれても一言も話さず、その後も一貫して黙秘を続け、弁護側は「犯罪の立証がなされていない」と無罪を主張していました。 一方、検察側は直接的な証拠がない中で複数の証人尋問を行ってきました。 自殺したとみられる黒木被告の知人の男と知り合いだった男性は。 黒木被告の知人の知り合い 「知人の男から『死体遺棄を手伝った。遺体の頭にはフォークが刺さっていた。家の裏でバラバラにしながら灯油をかけて、7~8時間かけて燃やした』と聞いた」 検察側が「被告が暴行を加えていずみさんが死亡し、知人と遺体を運んだことは明らか。徹底した罪証隠滅で悪質」だとして、懲役12年を求刑し結審した今回の裁判。 求刑よりも重い判決を言い渡された時、黒木被告はうつむいて、微動だにせず、最後まで言葉を発することはありませんでした。 判決で、大阪地裁は、検察側の証人らの証言は信用できるとした上で「妻に1時間にわたって、命の危険を感じるほどの暴行を加え、やめてなどと悲鳴をあげても暴行を執拗に続けていて悪質だ」と指摘。 「遺族に目を向けることなく、反省の態度も皆無」と厳しく批判し「遺体が発見されていないことを考慮すると、死者を敬う気持ちを究極的に欠く」として懲役12年6か月の判決を言い渡しました。