フランス・パリ近郊で23日、銃撃があり、1人が死亡、5人が負傷した。エマニュエル・マクロン仏大統領は、「人種差別的なテロ攻撃」だとしている。銃撃は23日、約15分間続いた。銃撃犯はまず、パリの南西に位置するイヴリーヌ県トラップで、乗っていた車の中から発砲し始めた。続いて、近隣のラ・ヴェリエールでも発砲した。移民系住民を狙ったとみられる。銃撃犯はその後、逮捕された。負傷者のうち3人は重体で、12歳の少女が含まれる。トラップの銃撃現場を訪れたマクロン大統領は、被害を受けた人々について、肌の色や宗教を理由に標的にされたと指摘。「我が共和国と国の歩みにとって転換点だ」として、「根を下ろしつつあるイデオロギー」に対して国民は一歩も引いてはならないと訴えた。事件の詳しい動機は依然として不明だが、フランスの国家反テロ検察庁(PNAT)は、「テロ組織に関連する殺人」のようだとの見方を示した。■容疑者について分かっていること仏メディアは、容疑者の名前を「ケヴィン・T」と伝えている。PNATによると、容疑者は過去に4件の有罪判決を受けていたが、前科記録はいずれも「自動的に抹消」されていたという。39歳の容疑者は、警察に知られた存在だったが、仏情報機関は把握していなかったと、地元メディアは報じている。PNATは仏テレビ局BFMTVに対し、容疑者は、フランスの安全保障に深刻な脅威をおよぼすとみなされた人物のリストには載っていなかったと説明した。また、23日に容疑者の「近親者」1人の身柄も拘束したと付け加えた。■車内から「無差別に」発砲トラップ市のアリ・ラベ市長は、23日朝に「車に乗った人物が、通りかかった複数の人に向けて発砲した」と述べた。複数の目撃者によると、銃撃犯は灰色のルノー・クリオに乗り、複数の地区を走行していた。ラベ市長は、容疑者が「無差別に発砲した」、「できるだけ多くの死傷者を出す意図があったようだ。(中略)大量殺りくを引き起こそうとしていた」と述べた。市長によると、トラップでは、ガソリンスタンドや医療施設、子どもの遊び場にいた人々が狙われた。その後、容疑者は近隣のラ・ヴェリエールへ車で移動した。警察組合関係者によると、容疑者はラ・ヴェリエール市内を通る幹線道路N10号線で拘束された。銃撃で負傷した12歳の少女の母親は、仏ラジオ局RTLに対し、娘が8発の銃弾を受け、手術が必要な状態だったと語った。「どうして子どもに対して、こんなことができるのか」と母親は訴えた。母親は、娘が事件当時、スカーフで頭を覆っていたため、それが銃撃された理由ではないかと話した。「娘はフランスのトラップで生まれた。フランスで暮らし、フランスで自分の人生を築く権利がある」と、母親は付け加えた。報道によると、銃撃犯は幹線道路を車で走行しながら、車の窓から断続的に発砲した。地元警察の本部長はBFMTVに対し、容疑者が「旧式の半自動小銃」を使用し、連射していたと説明した。仏紙ル・パリジャンは、この銃が第2次世界大戦期のものだったと報じている。「カテゴリーAに分類される武器の所持」についても捜査していると、PNATは明らかにした。この区分には、軍用級の武器や連射可能な銃器が含まれる。PNATは、「人に対する犯罪を準備する目的でテロ集団と共謀した」疑いについても調べを進めているとした。(英語記事 Deadly shooting near Paris is a 'racist terrorist attack', Macron says)