2026年2月、北海道江別市でイスラム教の礼拝所などに火をつけた罪などに問われている男の初公判が9月24日、札幌地裁で開かれ、男は起訴内容を認めました。なぜ放火という手段を選んでしまったのか。裁判で、男は自らその理由を語りました。初公判の法廷に白いシャツに黒いズボンを着用し姿を現したのは、北海道千歳市の農業・石井遼太郎被告(37)です。起訴状によりますと、石井被告は2月15日にパキスタン人が経営する会社事務所兼住宅に放火したほか、2月23日には別の会社事務所兼住宅に放火しようとし、さらに2月28日には江別市にあるイスラム教の礼拝堂(モスク)に侵入し火を放つなどした、建造物侵入や非現住建造物放火などの罪に問われています。■背景にあった地域住民の急増とSNSに渦巻くデマ情報事件の背景には、江別市における外国人住民の急増と、それに伴う誤った情報の拡散がありました。江別市とその周辺には中古車のオークション会場が複数あり、車の取引や輸送に便利であることから、中古車の輸出ビジネスを営むパキスタン人が増加しています。地元住民からは「特に問題も起こっていない」「フレンドリーでいいお客さん」といった声が聞かれましたが、インターネットやSNSには「パキスタン人の違法行為」や「不法移民」などとするデマがいくつも投稿される事態となっていました。■一方的な思い込みとネット動画への影響から深まった怒り検察の冒頭陳述などによりますと、石井遼太郎被告が外国人に嫌悪感を抱き始めたのは、7〜8年前です。当時、石井被告が働いていた農場に、外国人が備品を買い取らせてほしいと無断で敷地に立ち入ることがあり、口論に発展したといいます。そして、2025年秋ごろには江別市に住んでいる外国人に関する動画を閲覧するようになり、2025年12月頃には実際に外国人が住む地域を訪れ、のちに放火する会社事務所や礼拝所の存在を事前に把握していたとしています。