山梨県富士河口湖町のホテルで19日、台湾籍の女性(38)が首を刺されて死亡する事件があり、台湾の司法当局は27日、山梨県警が逮捕した別の女と共謀して殺害に関与したとして、共同殺人や詐欺未遂などの疑いで、女性の夫を逮捕したと明らかにした。夫は女性に多額の旅行保険をかけており、保険金を得る目的だった可能性がある。台湾メディアによると、被害女性は井雲蓉(ジン・ユンロン)さん。日本で逮捕された女は台湾籍の楊閔涵(ヤン・ミンハン)容疑者(27)で、2人は同じ旅行ツアーに参加していた。台湾の司法当局が逮捕した井さんの夫は、台湾籍で李という姓の29歳男だという。山梨県警は19日、銃刀法違反容疑で楊容疑者を逮捕していた。現場からは血の付いた包丁が見つかっていた。24日には、台湾当局が日本から高雄国際空港に戻った夫を拘束。夫は井さんの死後の手続きのために日本を訪れていた。台湾の台南地方検察署によると、夫は井さんに総額3000万台湾元(約1億5000万円)の高額な旅行保険2件をかけていた。同署は、夫が井さんと偽装結婚し、日本への単独旅行を勧めていた疑いがあるとみている。夫と楊容疑者の接触歴も確認しており、共謀の有無を調べている。一方、台湾誌「鏡週刊」(電子版)は27日、井さんが事件の約1カ月前、同誌記者に、保険金目的で夫に殺害されるかもしれないと相談していたと報じた。夫から「手足を失えば多額の保険金を受け取れる」などと持ち掛けられ、「年末まで生きられないかもしれない」と不安を訴えていたという。同誌はまた、夫が過去に詐欺グループの資金洗浄に関与していたと井さんに話し、秘密を漏らさない担保として総額1475万台湾元(約7000万円)の約束手形4通に署名させていたと報道。夫と楊容疑者が頻繁に連絡を取り合っていたとも伝えた。台湾の司法当局は、保険金を狙った計画的な殺人事件の可能性を視野に、捜査を進めている。現時点で日本側には捜査共助を正式に要請していないが、連携して全容解明を進める方針。現場のホテルは、富士急行線河口湖駅の北約2キロにある宿泊施設が立ち並ぶエリア。周辺には富士急ハイランドがある。(桑村朋)