日本の道路事情やモビリティ文化のなかで、「白タク」の問題は依然として解決されていない。特に観光地や大都市でその存在が目立ち、正規のタクシー業界だけでなく、利用者や社会全体にさまざまな影響を及ぼしている。 本稿では、白タクの定義や問題点を整理するとともに、なぜ“撲滅”が必要なのか、そしてそのためにどのような取り組みが求められるのかを深掘りする。白タク問題を考えることは、モビリティ全体の健全性を確保するための第一歩でもある。 「白タク」とは、許可を得ずに自家用車で有償の旅客運送を行う行為、またはその車両を指す。日本の道路運送法では、旅客運送事業を営むには国土交通省の許可が必要であり、正規のタクシーは緑ナンバーで運行されている。一方、白タクはその名のとおり、 「白ナンバー(自家用車)」 で運行されるため、この名前がつけられた。つい先日、ベトナム国籍の容疑者が熊本県で逮捕された(1月9日、NHK報道)。警察によると、容疑者は2024年7月と10月に、地方運輸局長の許可を得ずに自家用車で外国人を合わせて10数人有料で運ぶ行為を行ったとして、道路運送法違反の疑いがかけられている。 白タク行為は違法でありながら、一部の利用者にとって ・安い ・手軽 といった理由で選ばれることがある。しかし、その背後にはさまざまな問題が存在する。今回はその基本的な情報をお伝えする。