「スカラー波」という言葉が頭の片隅に残っているのは、30代半ば以上の人だろうか。今から23年前の2003年、全身を白装束で固め、十数台の車を連ね、車体まで白い布で覆ったキャラバン隊のような一団が日本中の注目を集めた。「パナウェーブ研究所」である。“研究所”を名乗ってはいたが、学術機関でも企業の研究部門でもない。研究所側は「スカラー波」と呼ぶ電磁波による攻撃を受けていると主張し、白い布にはその影響を防ぐ効果があるとしていた。さらには、当時の人気者だったアゴヒゲアザラシ「タマちゃん」まで巻き込む珍騒動に発展。一方で、集団内の「気合い入れ」と称する暴行を受けたメンバーが死亡する事件も起きていた。(ライター:ミゾロギ・ダイスケ)