立花氏の発言を県警本部長が「事実無根」と否定 斎藤兵庫県知事追求の百条委元委員死亡

斎藤元彦兵庫県知事の疑惑告発文書問題の百条委員会委員で、県議を辞職した竹内英明氏(50)が死亡したことに関し、竹内氏が「逮捕が間近だった」とするSNS上の真偽不明の情報について、村井紀之県警本部長が20日「全くの事実無根」「被疑者として任意の調査をしたことはなく逮捕予定もない」と明確に否定した。県警トップが個別の捜査の真偽に言及するのは異例。 政治団体「NHKから国民を守る党」党首立花孝志氏は、19日に竹内氏の死亡が報じられた後、YouTubeで「(竹内氏は)逮捕されるのが怖くて自ら命を絶った」などと発信。X(旧ツイッター)でも同様の投稿をしていたが20日未明までに削除した。その後投稿した動画で「間違いでした。訂正しおわびします」と謝罪したが、当初の発信はネット上で拡散されている。 県議会警察常任委員会に出席した村井本部長はSNS上の情報を重ねて否定し「事実無根で、明白な虚偽がSNSで拡散されるのは誠に遺憾」と述べた。知事選のSNS運用を巡り告訴・告発が相次いでおり、藤森大輔刑事部長は「法と証拠に基づいて適切に捜査を推進する」とした。 専門家によると、全くの虚偽の場合、立花氏が死者に対する名誉毀損(きそん)=3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金=に問われる可能性もあり、その場合、亡くなった人の親族や子孫の告訴が必要となる。 竹内氏は県議会調査特別委員会(百条委)の委員を務めていたが、昨年11月の知事選期間中に中傷が過熱したことを受け、同月17日の投開票翌日に議員辞職した。 選挙戦では、斎藤氏を応援する目的で立候補した立花氏が、竹内氏を含む委員に関する情報などを街頭やネット上で発信。真偽不明の情報が拡散された。百条委の奥谷謙一委員長も立花氏に、自宅前で街頭演説をされ、虚偽情報を流されたとして名誉毀損容疑で告訴している。 ≪県から削除要請 斎藤知事否定的≫斎藤氏は20日、記者団に、竹内氏について「大変ショックを受けており、心からお悔やみ申し上げる」と紙を読み上げた。立花氏の一連の発信について「詳細は見ていない。SNSは理性的に運用するのが大事だ」とし、竹内氏への誹謗(ひぼう)中傷が死亡後も続いていることについては「人の心を傷つけてはならない」と述べた。一方で、県から削除要請をするかと問われると「SNSを運用する側が対応する」と否定的な考えを示した。

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