韓国警察が20日、ソウル西部地裁と憲法裁判所で乱暴を働いた疑いで現行犯逮捕した90人のうち66人に対して逮捕令状を申請した。 ソウル警察庁は同日、マスコミの通知を通じて前日から西部地裁への乱入事態などに関連し、66人に対して順次拘束令状を申請し、このうち5人は同日西部地裁で拘束前被疑者尋問(令状実質審査)を受けたと明らかにした。66人は容疑別に▽西部地裁侵入・器物破損(46人)▽高位公職者犯罪捜査処の車両阻止(10人)▽警察官暴行および西部地裁の塀を越えたこと(10人)--などだ。 警察関係者は「西部地裁の内部侵入者46人にユーチューバー3人も含まれた」とし、「携帯電話・採証資料・ユーチューブなどを徹底的に分析し、不法行為者および教唆・幇助者まで最後まで確認し、厳正に処罰する計画」と話した。警察は現行犯90人のうち残り24人も立件し、拘束令状を申請するかどうかを検討している。 現行犯以外の追加不法行為加担者を捜し出すための捜査も本格化した。ソウル陽川(ヤンチョン)警察署は、尹大統領の令状実質審査後、西部地裁を出る途中、麻浦(マポ)大路で支持者らに囲まれて破損した公捜処の車両2台のブラックボックスを19日に受けて分析している。該当車両に搭乗していた公捜処の職員たちも調査した。 これに先立って、陽川署は、公捜処の車両に脅威を加えた疑い(特殊公務執行妨害)などで4人を立件した。当時、尹大統領の支持者らは公捜処の車両に向かって「あの車にオ・ドンウン(公捜処長)が乗っている。引き出そう」と言って車の転覆を図り、悪口を言った。これを防ぐために下車した公捜処関係者を木の棒などで殴ったりもした。 警察は司法府・国会・マスコミを相手にしたテロ脅威も捜査する。京畿(キョンギ)南部警察庁・盆唐(プンダン)警察署は前日、憲法裁判所、国会議事堂、共に民主党本部、報道機関などを攻撃しようというオンライン掲示文に対する内偵捜査に着手した。ソウル庁サイバー捜査隊は「民主党議員を殺害しよう」といったオンライン掲示文の作成者追跡に乗り出したと20日、明らかにした。 警察内部では、「指揮部が徹底的に備えられず、西部地裁の乱入を防ぐことができなかった」という批判の声が出た。乱入当時、現場の警察は鎮圧服とヘルメットなど保護装備も着用しない状態で圧倒的な数のデモ隊から暴行を受けたということだ。共に民主党のヤン・ブナム議員室が警察庁から受け取った資料によると、18~19日の警察負傷者は51人で、このうち重傷者だけで7人に達した。 これを受け、イ・ホヨン警察庁長職務代行はこの日、国会行政安全委員会に出席し「裁判所侵奪当時、警察人材が本当に力不足だった」として「西部地裁のデモ参加者が3万5000人だが、ソウル警察庁の動員可能な人材が5000人であり、当時光化門(クァンファムン)も3万人規模の集会があり、3000人程度が動員された」と説明した。