ヤクザから転身した“元祖・入れ墨ボクサー”は今…「引退後は俳優、24歳下の女優と結婚」大嶋宏成(50歳)が弟と振り返る激動の人生

平成ボクシング史に名を刻んだ大嶋宏成と、先を歩く兄の背中を追った弟・大嶋記胤(のりつぐ)。元ヤクザ、少年院出身、入れ墨、覚せい剤で逮捕……傷のある過去をもつ兄弟がボクシングによって導かれた更生の道。ノンフィクションライター・栗田シメイ氏が、その軌跡を取材した。【NumberWebアスリート転身特集/全3回の1回目】 極道の世界から転身した、少年院出身の入れ墨ボクサー。 井岡一翔のタトゥーが物議を醸したことは記憶に新しいが、今から28年前、特異な経歴を持つ青年のデビューは大々的に報じられた。メディアでイロモノ的に扱われ、その実力に懐疑的な視線も飛び交うなか、全日本新人王を獲得。デビューから破竹の11連勝で、その熱は加速した。 そんな兄の背中を2つ年の離れた弟は、羨望と焦燥が複雑に絡み合う心境で眺めていた。上半身には兄と同様に入れ墨が刻まれている。兄との違いは、足抜けのケジメとして右手小指を切り落としていることだった。

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