【社説】尹大統領内乱容疑で拘束起訴…裁判で正義の立て直しを

韓国検察が昨日内乱首魁容疑を受けている尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領を拘束起訴した。高位公職者犯罪捜査処(公捜処)が尹大統領を竜山漢南洞(ヨンサン・ハンナムドン)の官邸で逮捕して11日ぶりのことだ。検察は公捜処の捜査移管を受けて追加で捜査を行う予定だったが、裁判所が「公捜処の事件に検察が捜査をするのは適切ではない」と判断したことを受けて起訴する手順を踏んだ。尹大統領の容疑が重大なことから、検察の拘束起訴は当然の決定だとみることができる。 非常戒厳に加担した内乱容疑で金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防部長官と呂寅兄(ヨ・インヒョン)前防諜司令官、郭種根(クァク・ジョングン)前特殊戦司令官、ノ・サンウォン前情報司令官、趙志浩(チョ・ジホ)警察庁長官(現在保釈)らは全員拘束されたのに、首魁容疑のある尹大統領が異なる処分を受けるというのは公平性次元でも大きな問題がある。 12・3非常戒厳が国憲紊乱目的の内乱かどうかは裁判を通じて確定する。検察は裁判の準備と公訴維持に全力を注がなければならない。検察では金前長官と戒厳を実行した主な軍指揮官がすでに拘束され、これを通じて確保した証拠があるため、尹大統領の内乱容疑立証には問題がないとみている。 23日、弾劾審判第4回弁論期日で尹大統領代理人団は「国民は非常戒厳を啓蒙令と認識している」と主張した。証人として出廷した金前長官は「議員ではなく要員(軍人)を引っ張り出せと言った」という常識外れの証言まで行った。捜査を拒否した尹大統領は裁判には誠実に臨み、法的責任を負うと言った約束を守らなければならない。 起訴はしたが尹大統領に対する捜査と起訴の過程で繰り返し論争が広がったことは振り返るべき部分だ。文在寅(ムン・ジェイン)政府時期に検察捜査権の完全剥奪(検捜完剥)と公捜処設置がいい加減に行われたことも混乱を大きくした主な原因だ。当時も重大犯罪に対する捜査が難しくなるという懸念はあったが、それが現実になってしまった。 検察と公捜処、警察国家捜査本部は12・3非常戒厳事態以降、競争的に捜査して公捜処が事件移行権を行使して状況整理をした。当時、検察と公捜処は拘束期間を10日ずつ分けることで合意した。検察は尹大統領事件の移管を受けた後、いっそ新たに捜査をし直すことに意欲を示したが、これは捜査と起訴を分離した公捜処法上、根拠がないというのがソウル中央地方地裁の判断だ。検察が公捜処に補完捜査を要求できるかどうかも明文規定がない。公捜処が事件初期、尹大統領に逮捕にあまりにも集中しすぎてしまい、捜査や証拠の確保など検察起訴のための準備をきちんと整えることができなかったという指摘も出ている。裁判とは別個で、捜査と起訴の分離という大原則の下に警察・検察・公捜処に分けた現在の捜査体系を再検討し、代案を探す議論も必要だ。

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