コンクリート詰めにした遺体を大阪府八尾市の住宅に遺棄したとして、無職の飯森憲幸容疑者(41)=大阪市平野区=が逮捕された事件で、司法解剖で遺体を詳しく調べたところ、6~7歳の女児で、2007年ごろに死亡したと推定されることがわかった。府警が3日、発表した。 捜査1課によると、遺体はミイラ化しており、身長は約110センチ。腹部の臓器が損傷し、出血が確認されたという。府警は何者かに暴行を加えられて死亡したとみて、殺人や傷害致死容疑も視野に捜査するとともに、戸籍などを確認して身元の特定を進める。 八尾署によると、飯森容疑者は死体遺棄容疑で逮捕される前の聴取に「(姉の娘が)言うことを聞かず、しつけでたたいた」と説明し、「泣きじゃくっていたが、そのまま寝た。朝起きたら冷たくなっていた」と話したという。 さらに、父親に相談すると、父親から「コンクリート詰めにしよう」と言われ、2人でコンクリート詰めにしたと説明したという。父親は80代で現在は施設に入っているが、府警は何らかの事情を知っている可能性があるとみて慎重に調べる。 飯森容疑者は昨年11月上旬、父親が住んでいた八尾市跡部本町1丁目の集合住宅の押し入れに、衣装ケースにコンクリート詰めした遺体を遺棄した疑いで今月1日逮捕された。 八尾署の調べに飯森容疑者は「姉の当時7歳ぐらいの娘を十数年前にコンクリート詰めにした」と供述。当時は飯森容疑者と母親が同居し、別の場所で父親と姉、姉の娘が同居していた。姉が帰らなくなったため、飯森容疑者が姉の娘を預かっていたという。 父親は遺体が見つかった住宅を昨年11月に退去し、施設に入居。今年2月25日、この住宅の管理者から連絡を受けた署が衣装ケースを調べ、一度は事件性がないと判断したが、同28日に再度調べたところ異臭がしたため、飯森容疑者に事情を聴いていた。 衣装ケースをX線で調べると骨のようなものが確認され、その後コンクリートを割って調べると、遺体が見つかった。(田添聖史、宮坂知樹)