20年間未解決だった女性殺害事件 30日に初公判 弁護側は無罪を主張 「DNA型鑑定の妥当性」が争点に 広島地裁

24年前に広島県福山市明王台で起きた殺人事件の裁判が、30日に始まります。 およそ20年間未解決だった事件で弁護側は「無罪」を主張する方針です。 この事件は2001年、福山市明王台の住宅で、当時35歳の女性が腹部を果物ナイフで突き刺されるなどして殺害されたものです。 現場には、凶器の果物ナイフや犯人のものとみられる多数の靴のあとが残されていました。 しかし、いずれも大量に出回っている商品だったことや、犯人に直接結びつく有力な目撃情報もなかったため捜査は難航しました。 ■発生から20年 事件は大きく動く 解決に至らないまま20年の月日が流れた2021年、事件が大きく動きます。 福山市内で「刃物のようなものを所持していた」として1人の男を任意で捜査。 指紋やDNA型などを採取しました。 すると、その男のDNA型が事件当時、現場に残されていた靴下に付着していた血痕のDNA型が一致。 男が捜査線上に浮上しました。そして警察は殺人と住居侵入の疑いで竹森幸三被告を逮捕。 逮捕当時、竹森被告は「記憶に無い」などと供述していましたが、検察はDNA型が遺留品に付着したものと一致したことなどから、起訴しました。 これに対し竹森被告の弁護人は、DNA型は完全に一致しておらず、別人のDNA型の可能性があるなどとして無罪を主張しています。 28回に及ぶ公判前整理手続きはおととい終了し、今回の裁判は、DNA鑑定の妥当性が争点となりました。 裁判は30日、初公判が開かれます。 ■28回に及ぶ公判前整理手続きで整理された裁判の争点は? 今回の裁判の争点は「DNA型鑑定」です。 事件解決の決め手となったのは、遺留品に付着していた血痕のDNA型が竹森被告のものと一致したことです。 しかし、弁護側によりますと、DNA型が「完全に一致」しているわけではないということです。 起訴後、裁判所側が実施したDNA鑑定でも完全に一致はしなかったといいます。 裁判では、この完全に一致していない点について、「鑑定における誤差の範疇」かそれとも「別人のDNA型の可能性がある」と捉えるのか。

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