JR長野駅前で男女3人が刃物で襲われ、1人が死亡、2人が重軽傷を負った事件で、逮捕された男は、事件後、およそ3時間をかけて歩いて自宅に戻ったことが、捜査関係者への取材で新たにわかりました。 捜査本部では、人目を避けながら移動した可能性があると見て調べています。 殺人未遂の疑いで逮捕・送検されたのは、長野市の無職・矢口雄資(やぐち・ゆうすけ)容疑者46歳です。 事件は1月22日、JR長野駅前で3人が刃物で襲われたもので、いずれも長野市内に住む49歳の男性が死亡し、男女2人が重軽傷を負いました。 矢口容疑者は女性への殺人未遂の疑いで4日後の26日に逮捕されました。 捜査関係者によりますと、矢口容疑者は犯行後、現場から通常なら徒歩で1時間ほどで着く、3キロほど離れた自宅までおよそ3時間かけて歩いて戻ったことが、周辺の防犯カメラの解析でわかりました。 これまでの捜査で犯行前は自宅から幹線道路である国道19号や長野大通りを歩いて、長野駅前に来たとされる矢口容疑者。 国道沿いにある店舗の防犯カメラには、駅方面に移動する容疑者と見られる姿も映っていました。 矢口容疑者は、バス乗り場で犯行に及んだ後、いったん広場の先にあるスクランブル交差点へ向かったものの、方向を変えて西側のホテル方面に逃走。 線路わきの道路を通って跨線橋を渡り、駅の東口側に移動したことがわかっています。 東口側には矢口容疑者の自宅方向につながる県道がありますが、今のところ逃げる際に幹線道路を通った形跡はなく、捜査本部では人目を避けながら時間をかけて移動した可能性があるとみています。 調べに対し、事件について黙秘を続けているという矢口容疑者。 捜査本部では引き続き逃走ルートの特定を進めるとともに、犯行の動機などを調べています。