分裂する韓国の極右…互いに陰謀論の矛先を向ける

ソウル西部地裁乱入事件と尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領拘束起訴を受け、尹大統領支持を標榜してきた極右勢力の内部に亀裂の兆しが見える。光化門(クァンファムン)と汝矣島(ヨイド)に分かれて集会を開き、互いに対し陰謀論を持ち上げ、強く非難している。陰謀論と誹謗に基づいて勢力を拡大してきた彼らが、今度は互いに矛先を向け始めたという分析もある。 尹大統領支持者集会の発言とこれを主導するユーチューブ・チャンネルなどを31日に確認したところ、最近、極右陣営は週末の集会を開く場所によって互いを「光化門派」と「汝矣島派」に区分して呼び始めた。光化門派にはサラン(愛)第一教会のチョン・グァンフン牧師やユーチューブ「神の一手」のシン・ヘシク代表などが属している。釜山のセゲロ(世界へ)教会のソン・ヒョンボ牧師、チョン・ハンギル講師、ユーチューバーのグラウンドCなどは汝矣島派に属しているという。 両勢力の対立はシン・ヘシク代表が26日のユーチューブの生配信で、チョン・グァンフン牧師に対する警察の捜査について「汝矣島派がチョン・グァンフン殺しに乗り出した」と疑惑を持ち上げたことで本格的に始まった。警察がチョン・グァンフン専担チームを設けた後、ソン・ヒョンボ牧師がチョン・グァンフン牧師に「あなたは今日で終わりだ。これから分かるだろう」という携帯メールを送ったというのがシン代表の主張だ。シン代表は「しきりにチョン・グァンフン牧師の捜査チームを作る、逮捕組を作ると言われているが、全て計略に基づいているようだ」とし、ソン牧師が警察と組んで計略を企てていると主張した。 これに対し、オンラインコミュニティやユーチューブのコメントなどでシン代表の主張を擁護する光化門派と、これに反論する汝矣島派の間の軋轢が広がった。互いを「ユーチューブの金儲けと政界進出などのために現状況を利用している」と非難している。例えば最近、尹大統領に対する支持を表明し、ユーチューブの登録者数が10日で50万人近く増えたチョン・ハンギル講師について、いわゆる光化門派は「金儲けのために突然登場し、陣営を分裂させている」と非難した。一方、汝矣島派は「チョン・ハンギルの波及力が大きいため、極右ユーチューバーたちがよそ者扱いをしている」と擁護した。「チョン・ハンギル講師は実は左派」、「新男性連帯のペ・インギュ代表は実は華僑」だとして、自分と考えが違う人を「左派」や「華僑」と嘲弄するコメントも対象を変えて繰り返された。 深刻な対立の中で、極右色のユーチューバーたちの集会離脱宣言も続いている。新男性連帯のペ・インギュ代表は27日、ユーチューブチャンネルを通じて「『お前のせいで大統領が拘束された」、『お前のせいでこんな最悪の結果を迎えた』と言われているが、他のユーチューバーに責任を転嫁するつもりはない。だから私も集会をやめる」と述べた。また別の極右ユーチューバーの「ホン・チョルギTV」もこの日「これまで大統領を守るために新自由連帯ソウル拘置所集会を支援しようと努力してきた。しかし最近、縄張り守り、既得権、コイン売りとの非難が殺到している。もう平日の集会に参加、取材、支援をしない」という立場を明らかにした。 このような対立をめぐり、攻撃する対象を探して陰謀論を動員し、その人を誹謗するやり方が、尹大統領支持勢力の内部でも繰り返されたという分析もある。西江大学コミュニケーション学部のユ・ヒョンジェ教授は「極右陣営の最も簡単な金儲けのやり方は原因を他の対象に求めること」だとし、「最初は共に民主党のイ・ジェミョン代表のせいにし、次は司法体系のせいにして、尹大統領の拘束起訴と西部地裁事件後に混乱が発生すると、再び『非難する対象』を支持勢力の内部で探すようになった」と述べた。 コ・ナリン記者 (お問い合わせ [email protected] )

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