クァク・チョングン前特殊戦司令官が4日、「議員ではなく要員」を引きずり出せという指示だったという尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領側の主張に対し、「議員で間違いない」と改めて確認した。国家情報院(国情院)のホン・ジャンウォン第1次長も、「全員逮捕せよ」という尹大統領の指示があったことを再び証言した。国会と憲法裁判所に出席した証人たちによって嘘が続々と明らかになったにもかかわらず、尹大統領は依然として言い逃れと否定を続けている。大統領としての最低限の責任感を期待した国民の怒りは、積もりに積もっている。 同日、尹大統領の弾劾審判に証人として出席したホン前次長は、尹大統領の目前で、政治家を逮捕せよという尹大統領の指示があったと証言した。ヨ・インヒョン前防諜司令官から聞いた「逮捕組」リストについても、詳細に証言した。逮捕者名簿を聞いて「何か間違っていると思った」とも述べた。前回の弁論で「逮捕を指示したことはない」という尹大統領の陳述に対し、一つひとつ反論した。この日、国会で開かれた内乱国政調査特別委員会に証人として出席したクァク前司令官も「大統領が直接盗聴・傍受防止機能付き電話(秘話フォン)を通じて、『まだ議決定足数が満たされていないようだ。中にいる者を外に引きずり出せ』と指示した」と証言した。先日、キム・ヨンヒョン前国防部長官が尹大統領弾劾審判の弁論に出席し、「(議員ではなく)要員を引きずり出せと言った」と供述したことについては、「その時は要員らは本館に入っていなかった」と反論した。内乱のナンバーワンとナンバーツーが先立って憲法裁で証言した内容が、他の証人たちによって全て否定されたのだ。何よりこの日の証人たちの証言は、検察の捜査結果と一致する。にもかかわらず、尹大統領は憲法裁判所の罷免決定を免れるため、常識とかけ離れた主張を展開している。本当に「法治」を強調した検察総長出身の大統領なのか、疑問に思えるほどだ。 クァク前司令官は非常戒厳直後、キム前長官の懐柔に反発し、真実を明らかにすべきだと決心したと語った。与党「国民の力」はクァク前司令官に対し「民主党に懐柔された」と非難した。高位公職者犯罪捜査処の捜査に言いがかりをつけたうえに、憲法裁判官を「思想攻勢」で揺さぶり、今度は国会の国政調査に出席した証人まで脅迫している。国政を担当した与党がこれでいいのか。尹大統領は同日、弾劾審判に出席し、「何も起きていないのに(国会議員を逮捕せよと)指示したというのは、まるで湖上に浮かぶ月影のようなものを追いかけているようなもの」だと述べた。非常戒厳の余波で庶民の暮らしはますます苦しくなっているのに、そのようなのんきな言葉が口から出てくるとは呆れる。このような詭弁をいつまで聞いていなければならないのか。国民はため息をつくばかりだ。 (お問い合わせ [email protected] )