目の不自由な男性を駅の多目的トイレで背後から蹴ったとして、34歳の男が逮捕されました。きっかけは、目の不自由な人には欠かせない杖、「白杖」でした。 暴行を受けた男性 「点字ブロック、これを確認しています」 目が不自由で「白杖」を使って生活する男性。先月3日、突然、面識の無い男に暴行を受けました。 暴行を受けた男性 「後ろからいきなり蹴飛ばされました」 事件があったのは、都営新宿線・神保町駅のホームに設置された多目的トイレ。目の不自由な男性はトイレを使用しようと、扉が開いているのかどうか「白杖」を当てて確認しました。数分後に扉が開いたために男性がトイレの中へ入ると、トイレから出てきた男に突然、背後から蹴り飛ばされたということです。 暴行の疑いで逮捕されたのは、自称アルバイトの池田隆一郎容疑者(34)。こんな趣旨の供述をしているといいます。 池田容疑者 「せかされたと思ったので腹を立てた」 警視庁は「白杖」がドアに触れた音などで、池田容疑者が早くトイレから出るよう急かされたと誤解して犯行に及んだとみています。 一方、男性は、「白杖」でドアを強く叩いていないと主張します。 暴行を受けた男性 「当てて、右へスライドする感じです。軽くトントトンスーっといく感じですね。杖というのは私達の目の代わりになるものです。物を探します。段差があります。トントンと探します」 目の不自由な人には欠かせない「白杖」ですが、街中で使用する際は、よく世間の「無理解」に直面すると男性は話します。 暴行を受けた男性 「改札入ろうとしたら『どけ』とか『邪魔だ』とか、舌打ちはされるわ。日常茶飯事ですよ、これ。泣き寝入りで終わりです。なぜ、そういうことをするか。その意味を自分で実感して胸に手を当てて考えてほしいです」