横浜市青葉区の住宅で昨年10月、住人の後藤寛治（ひろはる）さん（75）が闇バイトに応募した男らから暴行を受けて死亡した事件で、神奈川県警は、通信回線営業員藤井柊（しゅう）（27）=愛知県春日井市=、住所不定の無職久保田陸斗（22）の両容疑者を、強盗殺人などの疑いで再逮捕したと10日、発表した。 捜査1課によると、藤井容疑者は黙秘し、久保田容疑者は「暴行は加えていない」と話しているという。 県警は、この事件の実行役はこの2人と、強盗致死罪などで起訴されている塗装工宝田真月被告（23）=千葉県印西市=の3人とみており、いずれも闇バイトに応募し、それぞれが指示役からイヤホンで命令を受け、実行したとみている。 捜査関係者によると、2人は逮捕前の調べに「自分が実行役の中心でない」という趣旨の供述をしているという。宝田被告も同様の説明をしているというが、現場の状況などから、3人がそれぞれ主体的に動いたとみられるという。 2人の再逮捕容疑は昨年10月15日、住宅に押し入り、後藤さんに暴行を加え、死亡させ、現金約17万円と貴金属など99点を奪ったというもの。 この事件では強奪した現金を回収した木本未穂被告（30）=東京都足立区=が盗品等運搬罪などの罪で公判中。現金をさらに別の場所に運んだとして保坂海斗被告（25）=埼玉県川口市=も同罪で起訴された。 藤井、久保田両容疑者は昨年10月に起きた千葉県船橋市の住宅で住人が暴行を受け、現金約1千万円などが奪われた事件、同県市川市の住宅で住人の女性が連れ去られた事件で強盗致傷などの罪で起訴され、藤井容疑者は同県白井市の強盗致傷事件でも起訴されている。（稲葉有紗、中嶋周平）