曖昧さの解消なるか?「危険運転致死傷罪」の見直しへ法制審議会に諮問 議論の焦点は「数値基準」 遺族からは期待と懸念も…【news23】

2001年の施行以降、適用基準が曖昧だと批判されてきた「危険運転致死傷罪」。鈴木法務大臣は10日、法制審議会に法改正の検討を諮問し、曖昧さの解消に向けた議論が始まりました。議論の最大の焦点は「数値基準」を設けるかどうか。交通事故の遺族からは期待の声が上がる一方、懸念も…。 ■容疑者が合掌し「ごめんなさい」 警察が現場に立ち会わせていると突然、男は手を合わせ、しゃがみ込みました。 「ごめんなさい」 池田怜平容疑者(34)は先月、福島県郡山市で酒気帯びの状態で車を運転し、横見咲空さん(19)をはね、死亡させた疑いがもたれています。 受験のため、大阪から郡山を訪れていた横見さん。横断歩道をわたっていたところ、信号無視をしてきた池田容疑者の車にはねられたとみられています。 警察は、危険運転致死の疑いも視野に捜査しています。 男が現場で手を合わせたその日、ある夫婦が事故現場に花を手向けました。 井上郁美さん(56) 「19歳の若さで頑張って勉強してきて、本人が一番無念だろうなって思います。こんなことはもう絶対にあってはいけない」 ■「命の重さに比べて、非常に軽い判決だった」“危険運転”厳罰化期待も… 井上さん夫婦は1999年、東名高速道路での飲酒運転による事故で、長女の奏子ちゃん(事故当時3歳)と次女の周子ちゃん(事故当時1歳)を失いました。 被告に下された判決は懲役4年。事故後、悪質で危険な運転の厳罰化や根絶を求める活動を続けてきました。 井上保孝さん(74) 「2人の命の重さに比べて、懲役4年という非常に軽い判決だった。人の命の重みに比べて、今の日本の法律はずいぶん軽く人の命を扱っている」 井上さんたちの必死の訴えもあり、2001年、「危険運転致死傷罪」が新設されました。最高刑は20年。従来の「過失運転致死傷罪」の「7年」よりも大幅に厳罰化され、危険運転の抑止になると期待されました。 しかし、実際の運用には批判の声も…。

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