米政府、露で拘束の米国人男性解放と発表 ウクライナ協議地ならしか

米ホワイトハウスは11日、医療用マリファナを持ち込んだとしてロシアで逮捕・拘束されていた米国人マーク・フォーゲル氏がロシア当局から解放されたと発表した。トランプ大統領の中東担当特使を務めるウィトコフ氏らが「交換交渉」を行ったとしている。米国や同盟国が拘束していた囚人との交換とみられるが、詳細は不明だ。 米ニューヨーク・タイムズ紙によると、米政府高官によるロシア訪問が明らかになったのは、ロシアによるウクライナ侵攻前の2021年11月にバーンズ前中央情報局(CIA)長官が訪れて以来という。 ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は声明で、ウィトコフ氏がロシアに拘束されていたフォーゲル氏を伴ってロシア領空を離れると発表。トランプ氏やウィトコフ氏らが「ロシア側の誠意を示し、ウクライナにおける残忍で恐ろしい戦争を終わらせるために正しい方向に向かっていることを示す交換交渉を行った」と説明した。交換条件などは明かさなかった。 タイムズ紙によると、教師のフォーゲル氏は、2021年に医療用マリファナをロシアに持ち込んだ容疑で逮捕された。22年に14年の拘禁を言い渡され、服役を始めた。バイデン前政権は24年に不当な勾留だと認定していたという。 今回の交換交渉は、トランプ氏が意欲を示しているウクライナでの戦争の早期終結に向けた協議の地ならしになる可能性もある。【ワシントン西田進一郎】

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