SNSを介した投資詐欺などで得た金をマネーロンダリング(資金洗浄)したとして、警視庁などの合同捜査本部は組織犯罪処罰法違反(犯罪収益隠匿)の疑いで、会社役員の林明旺容疑者(37)=東京都足立区=といずれも中国籍で職業不詳の張莉莉容疑者(37)=埼玉県草加市=、李宇晨容疑者(35)=住居不定=の男女3人を逮捕した。12日、捜査関係者への取材で分かった。 捜査関係者によると、3人は共謀し、令和6年2月22~26日、SNS型投資詐欺グループから得た詐取金など計6451万円を、外国為替投資名目でインターネット口座を用いて複数回にわたって移して隠匿し、資金洗浄した疑いがもたれている。 警視庁は3人が、令和3年1月ごろから約4年間で、500億円以上の詐取金を洗浄し、手数料を得ていたとみて捜査を進めている。 犯行は林容疑者が主導。他2人は口座の振り替えなどを行っていた。林容疑者らは個人口座よりも多額の現金のやり取りの不正が発覚しにくいとみて、経営実態のない法人口座を買い取って悪用。警視庁は口座の取り扱いの注意を呼びかけている。 SNS型投資詐欺を巡っては、昨年1年間の被害認知件数が6380件、被害額が871億円で前年の3倍となった。SNSに届いた見知らぬアカウントからのダイレクトメッセージで投資などのもうけ話を持ちかけられるケースが多く、警察は「詐欺を疑ってほしい」と呼びかけている。