「保育虐待」を考えるシンポジウム開催「今の調査方法では子ども守れない」指摘相次ぐ 今年6月認定こども園で起きた“保育士による虐待”を受けて 大阪・八尾市

大阪・八尾市にある認定こども園で今年6月、保育士による虐待が起きていた問題を受け、「保育虐待」について考えるシンポジウムが八尾市で開催されました。参加した専門家からは今の調査の在り方そのものの問題を指摘する声が相次ぎました。 11月30日、大阪・八尾市で開かれていたのは「八尾市の保育虐待を考えるつどい」です。 八尾市では今年6月、市内にある認定こども園で複数の保育士が子どもに対し暴言を吐いたり、机を叩いて威圧するなどの「心理的虐待」があったとして、市が園に対し改善指導を行っていたことがJNNの報道で明らかになっています。 八尾市では6年前にも市内の認定こども園で男性保育士が園児への強制わいせつ容疑で逮捕・起訴され、刑が確定するなどしていて、今回のシンポジウムは相次ぐ保育虐待をいかに防ぐかをテーマに開かれました。 不適切保育に詳しい保育園を考える親の会・顧問の普光院亜紀さんは、こども家庭庁が去年作成した保育虐待の対応ガイドラインについて触れ、「保育虐待の調査は園が主体となっているが、保護者や内部告発者の訴えを受けて調べるべき行政の役割が明確になっておらず、問題が深刻化している」などと指摘しました。 また保育虐待に取り組む弁護士からは、「内部できちんと調査してくれないと結局何もわからない中で進んでいき、裁判になっても証拠がない。一番大事な子供の権利が守られてないというところが一番の問題だ」などと話しました。 現場の保育士からは「苦しんでいる保育士がいるのであれば1人でも助けてあげたい」「背景をしっかりと考え、立場を超えてみんなで考えていかなければならない」などの意見が出ました。

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