映画を撮って投獄、それでもやめない理由は?『聖なるイチジクの種』監督が語る、イランの現実と希望

タリバン政権が支配するイランで2022年、「頭髪をスカーフで適切に覆っていなかった」としてある女性が道徳警察に逮捕され、その後死亡した事件が発生。その死を契機に、女性の人権を求める抗議デモが国中に広がっていった。 映画『聖なるイチジクの種』のモハマド・ラスロフ監督は、刑務所のなかでその一連の動きを知り、本作の構想を膨らませたという。イランにて国家安全保障に反する罪によって懲役8年、鞭打ち、財産没収の実刑判決を受けている監督は2024年、本作が『カンヌ国際映画祭』で発表され、諜報機関に発覚したことをきっかけに、母国イランを脱出した。 監督はじめスタッフのすさまじい覚悟によって世に出された本作。体制批判を含む社会派の作品であるのはもちろんだが、家父長制への抵抗、登場人物の葛藤、スリラーのようなシーンなど、物語としての面白さもふんだんに詰まっている。監督にインタビューし、その真意や背景を紐解いていきたい。

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