【カイロ=佐藤貴生、ワシントン=坂本一之】ルビオ米国務長官は16日、訪問先のイスラエルで同国のネタニヤフ首相と会談し、2人は会談後にそろって協議内容を発表した。ネタニヤフ氏は、パレスチナ自治区ガザで人質を拘束するイスラム原理主義組織ハマスには、トランプ米大統領との「完全な協力と調整」の下で臨むとした。 ルビオ氏はハマスの軍事力と行政権の維持は許さず、「根絶すべきだ」と訴えた。米イスラエルが一致してハマスへの圧力を強化する見通しとなり、ガザの停戦継続を巡る協議の行方はいっそう不透明になりそうだ。 ガザから全住民をエジプトやヨルダンなどに移住させ、米国が所有するとしたトランプ氏の構想について、ネタニヤフ氏は「大胆なビジョン」だと称賛し、実現に向けた方策をルビオ氏と協議したと述べた。 2人は核開発を進めるイランにも両国が協調して臨む方針を確認。ルビオ氏は、イランはあらゆる地域の不安定化の原因だとし、決して核を保有させないと主張した。 ネタニヤフ氏は、戦争犯罪などの疑いで自らへの逮捕状を出したオランダ・ハーグの国際刑事裁判所(ICC)の一部関係者に対し、トランプ政権が制裁を発動したことに謝意を示した。 ルビオ氏はイスラエルに続いてサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)も訪れる。ガザを巡るトランプ氏の構想が主要議題になりそうだ。