「みちのく記念病院」(青森県八戸市)で起きた入院患者による殺人を元院長らが隠したとされる犯人隠避事件をめぐり、青森県と八戸市は19日、同病院に対して医療法などに基づく立ち入り検査を実施した。 県によると、この日の検査では、同病院の入院患者の状態や病室の状況などを確認した。今後も立ち入り検査を複数回実施し、病院の運営実態を明らかにするという。 宮下宗一郎知事は同日夕、「この病院が病院として機能するのにふさわしいか、過去に同様のことが繰り返されていたのではないかを含めて検査する」と述べた。 病院では2023年3月12日夜、入院患者の男(59)=殺人罪で服役中=が同室の男性(当時73)の目を歯ブラシの柄で突き刺し、翌日に男性の死亡が確認された。この事件で県警は、犯人隠避の疑いで、当時の院長石山隆容疑者(61)と、殺害された男性の主治医だった石山哲容疑者(60)兄弟を逮捕。両容疑者の逮捕容疑は、男性の死因を「肺炎」とする虚偽の死亡診断書を作成し、遺族に渡して殺人事件を隠蔽(いんぺい)したというもの。