八戸市のみちのく記念病院で起きた入院患者による殺人を隠蔽した疑いで、当時の院長ら2人が逮捕されてから21日で1週間です。2人はこれまで容疑の否認を続けています。 警察によりますと、みちのく記念病院で2023年に発生した殺人事件を巡り、当時の院長・石山隆容疑者(61)とその弟で当時の主治医・石山哲容疑者(60)が共謀して、殺害された男性の死因を「肺炎」とする虚偽の死亡診断書を遺族に渡すなどし、事件を隠そうとした疑いが持たれています。 哲容疑者が主治医を務めていた男性患者が、拘束された状態で寝ていたところ、血を流しているのが見つかりました。 同じ病室に入院していた男が、歯ブラシで顔面を何度も刺したことを看護師に打ち明けます。 警察の司法解剖の結果、男性の死因は頭蓋内損傷。しかし、遺族に渡された死亡診断書に書かれた死因は「肺炎」でした。 捜査関係者によりますと、死亡診断書に名前が書かれた医師は、事件当時入院していて認知症の疑いがあり、2024年に亡くなっているということです。 また、警察はこれまでにこの医師の名前が書かれた死亡診断書を、2021年4月から2023年3月ごろまでに作成された200枚以上を押収。その7割の死因が「肺炎」と書かれていたということです。 さらに、隆容疑者と哲容疑者の2人は事件の後、男性を殺害した男を入院患者や面会者が自由に出入りできない閉鎖病棟に「医療保護入院」させていたことが、捜査関係者への取材で明らかになっています。 警察は、虚偽の診断書の交付に複数の病院関係者が関与していた可能性や、同様の事態が常態化していた可能性も含めて慎重に捜査を進めています。