滋賀県の琵琶湖岸で2008年に川本秀行さん=当時(39)=の切断遺体が発見された事件で、殺人の疑いで逮捕された杠共芳容疑者(74)が、別の殺人事件の公判中だった20年ごろ、収容先の拘置所などでフリージャーナリストの面会取材に応じ、川本さんの殺害への関与について「事実無根。ばかばかしい」と述べていたことが28日、分かった。川本さんが「逮捕されていなくなった」と周囲に話していたことも知人への取材で判明。県警は同日、容疑者を送検した。 容疑者は18年に滋賀県内で別の男性=当時(69)=を殺害し、切断した遺体を排水路などに捨てたとして同年逮捕され、21年に懲役25年の判決が確定した。 県警は27日、岡山刑務所に収容されていた容疑者を逮捕したが、認否を明らかにしていない。 面会したのは冤罪問題を中心に活動するジャーナリスト今井恭平氏。今井氏によると、容疑者は18年の事件の控訴審が行われていた20年ごろ、大阪拘置所などで複数回取材に応じ、二つの事件への関与をいずれも否定していた。