長野県飯田下伊那地域で電話でお金詐欺(特殊詐欺)の前兆とみられる不審電話が相次いでいる。不審電話の多くは国際電話が使用され、警察は、海外からの電話を休止するサービスの活用を呼び掛けている。 飯田署生活安全課の課長によると、管内では2月上旬ごろから不審電話の相談が増加しており、多い日には1日10件以上の相談が寄せられるという。 2月27日現在、飯伊の電話でお金詐欺被害は3件、被害額は1259万円で、件数、額ともに昨年同期と比べて増加している。このうち少なくとも1件で国際電話が使用された。 特に多い手口は、警察官を名乗って「あなたが犯罪の容疑者になっている」などとし、捜査名目で現金やクレジットカードをだまし取るもの。電話後のやりとりはSNSのメッセージやビデオ通話で行われることが多く、偽の逮捕状を見せられたり、地元警察への相談を口止めされたりするという。 中には通信事業者を名乗る自動音声で「あなたの電話が使えなくなる。詳細は1番を押してください」などとメッセージが流れ、1番を押すと警察官を名乗る人物に代わるケースもあるという。 警察は国際電話を使った詐欺被害を防ぐため、海外からの電話を休止するサービスの活用を周知している。国際電話不取扱受付センター(東京都)が実施する無料のサービスで、電話やインターネットで申し込みができるほか、警察署や交番にある申込書からも手続きができる。 国際電話は市外局番や携帯番号と違って「+」や「010」から始まる。小牧課長は「番号を検索すれば相手の情報が分かることもあるので、見知らぬ番号の電話には出ないことが基本。海外に電話をかけ直すと高額の通話料を請求されることもあるので絶対にしないように」と呼び掛けている。