（ＣＮＮ） 南米ブラジルのサンパウロで開催されている恒例のカーニバルにスーパーヒーローが登場することは珍しくはない。「世界最大のパーティー」とも呼ばれるカーニバルの最中にサンパウロの街角では、バットマンやスーパーマン、スパイダーマンをよく見かける。しかし、今年のカーニバルでは１９９０年代の戦隊ヒーロー番組「パワーレンジャー」のカラフルなコスチュームを身に着けた４人組がさらに踏み込んだ活躍をみせた。 地元当局が１日に投稿した動画には、赤、青、黄、緑のパワーレンジャーらしき人達が携帯電話窃盗の容疑者を拘束している様子が捉えられていた。目の前の群衆からは「パワーレンジャー！ パワーレンジャー！」という歓声が上がっている。別の場面では５人目の黒のパワーレンジャーが回収した端末を握りしめていた。 サンパウロ州知事はＸ（旧ツイッター）に「イッツ・モーフィンタイム！」とシリーズの決めぜりふを投稿するとともに、このパワーレンジャーたちについて、実際は変装した法執行機関当局者だったと明らかにした。カーニバルでの犯罪に対して新たな対応を取るために導入されたという。 州知事によれば、今回の逮捕によって、さらに４台の盗まれた携帯電話と約２４２５ドル（約３６万円）の現金を回収した。 同州によれば、窃盗や強盗の専門家は、カーニバルの時期に多くの群衆が集まることにつけこむことが多い。こうした変装した警官を導入する戦略によってカーニバルに関連した犯罪が大幅に減少したという。 州政府によれば、カーニバル前の週末には８８０件の携帯電話の盗難と強盗が報告されたが、これは昨年の同時期の２３４４件から大きく減少した。