「梨瑚さんが押した、私は押していない」当時19歳の女の被告、殺害された女子高校生はロープか何かにつかまった後…「梨瑚さんも真実を話して」旭川高校生転落殺害

北海道旭川市で、去年4月、女子高校生(当時17)を橋から川に転落させて殺害した罪などに問われている当時19歳の女(20)の裁判員裁判が4日、旭川地方裁判所で開かれました。 被告人質問で、女子高校生が転落する状況を聞かれた女は、共謀したとして起訴された内田梨瑚被告(22)が橋の欄干の外側に立った女子高校生を押したと説明し、「私は押していない」と述べました。 起訴状によりますと、当時19歳の女の被告は、去年4月、内田被告の画像を勝手に使用した女子高校生(当時17)を車で連れ去り、旭川市郊外の橋の上から「落ちろ」「死ねや」と言うなどして転落させて殺害した罪などに問われています。 ■弁護側は「大半は内田被告の指示」 4日に行われた弁護側の被告人質問で、女は当時の状況について「被害者が川の方を向いて手を横に広げて大きく深呼吸した。川の方をむいたまま前の方へ向きかけたところ、梨瑚さん(内田被告)が押した、私は押していない」と述べ、内田被告が1人で女子高校生の背中を押したと説明しました。 また女は、女子高校生はロープか何かに捕まった後、悲鳴をあげながら川に落ちたと話しました。 そして「本当に取り返しのつかないことをしてしまった。亡くならせてしまった責任を一生涯かけて償っていきたい。本当にすみませんでした、ごめんなさい」と、女は傍聴席に体を向け謝罪を繰り返しました。 女は、初公判で起訴内容を認めていて、弁護側は「大半は内田被告の指示」などと情状酌量を求めています。 ■検察は「内田被告と同等の役割」指摘 一方、検察側は「内田被告と同等の役割を主体的に果たしている」などと指摘しています。 4日の検察側の被告人質問で、女は女子高校生が橋の欄干から転落する直前「落ちろ」「死ねや」と何度も言ったときの気持ちを聞かれ「すごいイライラしていたと思う」と振り返りました。 そして、被害者が転落したのは、内田被告と女(自分)の行為によるものかをたずねられると「間違いありません」と答えました。 内田被告は逮捕時の調べに「橋に置いてきただけで、落ちたところは見ていない」と容疑を否認していて、両者の主張は食い違っています。 ■事件後の女と内田被告 事件後、女は内田被告の指示に従ってスマホのメッセージを全部消したと説明。 また弁護側から通報しなかった理由を問われ「梨瑚さんに黙秘しろと言われたが、本当のことを話したら何をされるかわからないので怖かった。梨瑚さんの供述は作り話で、真実が闇に消されると思い、本当のことを話した、梨瑚さんも真実を話してほしい」と説明しました。 ■殺害された女子高校生の両親「娘はどんな気持ちだったか」 4日は女子高校生の両親が代理人を通じて女に質問しました。 ・母親の代理人 「暴力をふるわれているあいだ、娘はどんな気持ちだったか考えたことはありますか」 ・当時19歳の女の被告 「すごい怖くて、痛くて、寒くて、すごいつらくて苦しかったと思います」 ・父親の代理人 「どう償うか、いままで考えてきましたか」 ・当時19歳の女の被告 「人を亡くならせてしまったのに、これをしたから償いが終わるとか軽く思ってないので。今後も考えていきたいと思います。今はこの裁判で事件で何が起きたのかを話して、私の犯した罪にあった刑を下してもらう。それくらいしかまだ具体的には…」 声を詰まらせ、涙を流しながら答えた当時19歳の女の被告。裁判は5日結審し、判決は7日に言い渡されます。

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