突然閉校の美容専門学校、再建断念 資金調達できず 愛知

昨年5月に突然閉校した愛知県小牧市の「愛知中央美容専門学校」が、再建を断念することが明らかになった。親会社の粉飾決算による不正融資が発覚するなど逆風が吹く中、運営する愛知中央美容協同組合が閉校後に体制を一新し、学校の再開を目指すとしていたが、資金調達ができなかったという。 愛知県によると、3日に同校関係者が県私学振興室を訪ね、「経費を調達できず、学校を再開できない」と報告。学校の廃止に必要な申請書を提出したが、書類に不備があったため受理はされていない。県の担当者は「再開に向け準備をされているものだと思っていたのに……」と驚きを隠さない。 4日の定例会見で大村秀章知事は、学生への授業料返還や希望者の転校は済んでいるとし、「大変残念ではあるが、学生さんへの対応はできていると思っている」と述べた。 新組織から相談を受けていたという県内の専門学校関係者は、「再開に向けて動き出すと聞いてから、かなり時間がかかっていたし生徒募集もしておらず、おかしいと思っていた」と明かす。校名や建物を閉校時のまま引き継ぐつもりだったといい、「悪いイメージは残ったままなのに、本当に再建するつもりがあったのか」と首をかしげる。 同校を巡っては、経営していた親会社(倒産)の社長ら3人が粉飾決算で銀行から不正に融資金をだまし取ったとして、愛知県警に逮捕されている。【加藤沙波、田中理知】

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