【バンコク時事】ミャンマー東部ミャワディ周辺の犯罪拠点に日本人の少年をだまして連行したとして拘束された日本人の男(29)が、カンボジアを拠点とする特殊詐欺にも関与した疑いがあることが5日、タイ警察幹部への取材で分かった。 日本の警察当局と連携し、詳しく調べている。 男は2月、ミャンマーの最大都市ヤンゴンから飛行機でタイの首都バンコクに到着後、空港で拘束された。タイ警察などは、男がミャワディ周辺の中国系犯罪組織の拠点で日本人向けの特殊詐欺を行うグループの運営に関与し、オンラインゲームで知り合った宮城県の10代の少年に詐欺を強要させていたとみている。 タイ警察幹部によると、男のグループのトップは中国人とみられる。少年の他にも10人近くの日本人がいたが、大半は自ら詐欺に加担していたもようだ。日本語が話せる中国人もいたという。 タイ警察が日本側と連携して捜査した結果、男がカンボジアで特殊詐欺を行う日本の犯罪グループにも関与した疑いが浮上した。男は日本で別の監禁事件で逮捕状が出ており、強制送還後は逮捕される見通し。 カンボジアには複数の特殊詐欺拠点があり、詐欺に関与したとして逮捕される日本人も相次ぐ。「仕事を紹介する」と知人に言われて渡航後、軟禁状態に置かれた人もおり、日本政府は注意を促している。