組織的な関与は?覚醒剤の密売をめぐり暴力団の組事務所を捜索 組員ら22人を逮捕

覚醒剤の密売をめぐり暴力団組員や客など22人が逮捕された事件を受け、警察は3月6日に組織的な関与を調べるため、静岡県沼津市にある組事務所を家宅捜索しました。 村田彬 記者: 今、捜査員20人ほどが組事務所を訪れています。まもなく家宅捜索が始まるものとみられます 6日に警察が家宅捜索したのは、沼津市にある指定暴力団・稲川会八代目大場一家の本部で、暴力団組員らによる覚醒剤の密売事件について組織的な関与を調べるためです。 警察は大場一家系組員の男など幹部や組員3人を2月までに逮捕しました。 2024年12月に富士市内の駐車場に止めた車の中で、覚醒剤約20gを営利目的で所持していた疑いです。 警察はこの3人と会社役員の女ら計5人が中心的な役割を果たし密売していたとみていて、覚醒剤を買いつけたとみられる男女17人も所持や使用などの疑いで逮捕しています。 密売グループは、客から携帯電話で連絡を受けると、人目につかない場所を指定。その後、覚醒剤の受け渡しを直接していたとみられています。 警察は現金600万円の他、末端価格2000万円相当の覚醒剤などを押収していて、密売に関する一連のやり取りには秘匿性の高い通信アプリも使われたとみています。 今後、捜索で押収した資料を分析するなどして組織の関与について調べ、全容解明に向けた捜査を進める方針です。 闇で取り引きされる覚醒剤は、精神と身体をむしばみ幻覚・妄想を引き起こします。 県内での検挙者の推移を見ると40年近く前が最も多く、1983年は1484件となっています。 その後は右肩下がりで、2023年は221件とピーク時の5分の1に減少しています。 それでも暴力団の検挙件数について大麻や銃刀法違反などと比べると、覚醒剤は依然大きな割合を占めていることが分かります。 全容解明に向けた警察の捜査が待たれます。

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