一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)によると、中国河北省公安局が2月に日本アニメなどを配信する海賊版サイト「ZzzFun」などを運営していた遼寧省在住の男性を、著作権法違反の疑いで逮捕したことがわかった。河北省において日本アニメの海賊版配信に関する刑事摘発が行われるのは初めてとのこと。 報告によると中国当局は2024年10月15日に容疑者の自宅を家宅捜索し、取り調べを実施。その結果、男性が2022年より海賊版サイト「ZzzFun」の運営を開始し、権利者に無許諾で日本アニメを大量に配信していたことが判明。 さらに、サイトの利用者をアプリへ誘導する仕組みを構築し、日本のコンテンツだけでも約1,800話のアニメを違法にアップロードしていたことが確認されたという。調査の結果、同サイトやアプリの運営によって逮捕時点までに約33万元(約700万円)の広告収益を得ていたことも明らかになっている。 本件は、2024年5月にCODAの北京事務所が、日本の権利者に代わり公安局へ刑事告発を行ったことを受け、捜査が進められていた。刑事告発を要請したのは、アニプレックス、KADOKAWA、キングレコード、講談社、小学館、スクウェア・エニックス、テレビ東京、東映アニメーション、東宝、日活、ハピネットファントム・スタジオ、フジテレビジョン、ポニーキャニオンらアニメ製作業務に関わる計13社。各社はCODAが2023年3月より運営する権利者照会データベースを活用し、被害状況を確認した上で告発に向けた協力を行った。 CODAは、関係する権利者と連携し、今後の捜査や起訴後の刑事裁判の推移を注視するとともに、厳格な刑事処罰を求めていく方針を示している。2023年には、ブラジルで複数の悪質な海賊版サイトを一掃する一大作戦を敢行、直近の昨年12月にもブラジル国内において海賊版サイトが計15サイト閉鎖された。